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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード11

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EP11-17 - 人のうわさも

「イベントの場所が決まったとして、次は日程を決めたいと思うのじゃが……」


 先ほどスーンは数日があればイベント会場の用意ができると言っていた。しかし、すぐに会場を手配したとしても、ドアンドへ噂が広がる前にイベントを起こしてしまっては、彼をおびき出すことはできないだろう。噂が広がるまである程度の期間を用意することが必要だ。ゲシハーとスーンの両名はそのことを理解しつつ、いつならば都合がいいかを考え始める。


「急がなければドアンドが本を解読しきってしまうのは理解しているのじゃが……」

「とはいえ、どこにいるかわからない彼に噂が届くまで時間がかかるでしょう」


 そう言うと、スーンは一枚の大きな紙を取り出した。様々な図形やイラスト、テキストなどが描かれているそれは、どうやら世界地図のようだ。しかもただの地図ではなく、世界各地の街や村が追記されている。全ての街を網羅したわけではないだろうが、十分な情報量を持った地図だ。しかし、このタイミングで地図を取り出した意図がわからない。


「何故地図を?」

「仮に一日で近くの街までイベントの告知が広がるとした場合、どれくらいかかれば世界中の街へ噂が届くかと考えてみましてね」


 机上の空論ではありますが、と付け加えてスーンは地図に線を足していく。ネズミ算のように考えて、一つの街に噂が届くと次はその近くの街々に届き、そして次はその近くの……と考えていくと、マージ・モンドのある大陸では約二週間ほどあればすべての街に噂が届きそうだった。しかし。


「別大陸のほうに噂が届くまでを考えると、一ヶ月はかかりそうですね……」


 人伝で噂を広げる場合、海を越えて別の大陸まで噂を届かせるには船を使うしかない。しかし、船旅は時間がかかるうえ、たどり着くまでに噂について忘れてしまう可能性もあるだろう。それらを考慮すると、スーンの考えたアイデアは現実的ではないと考えられる。


「わかった。では別大陸に噂を広がらせる役目はワシが務めよう」

「ゲシハー殿が? どういうことでしょう」

「ワシが転移魔法で他の大陸の街まで移動し、イベントの告知を行いましょう。大陸以外もそうですな。ここから遠い街へ行って伝えれば、噂が広がる速度は早まりそうではありませんか」

「ふむ」


 スーンはもう一度地図を見直し、どこにゲシハーに行ってもらえば効果的かを考える。やがて幾つかの街をピックアップしたスーンはこの作戦で噂を広まらせることにした。

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