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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード11

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EP11-6 - 餌の撒き方

「なるほど。ワシを餌としてドアンドをおびき出す、のう」

「はい。ゲシハーさんは彼が興味を持つに値する人物だと思うんですよ」


 ドアンドが現代に現れたのは、恐らくゲシハーが使える魔法を自分も扱えるようになるためだ。ゲシハーはそれを本に書き残していたが、もし直接ゲシハーから魔法を教わることができるとなれば、彼はフィニティ達の前に姿を現すかもしれない。


「勿論居場所がわからない以上、ドアンドのところへ話が届くように作戦を練る必要があります。例えば世界中にゲシハーさんとサオエルさんのことを告知するとか」

「確かに、ユニヴァース・ロストの時代の人物が現れたとなれば嫌でも話題になるだろうね」


 民衆の間で話題になれば、今どこにいるのかわからないドアンドの耳にもその話が届くかもしれない。告知する内容次第だが、上手くいけば彼を自分たちの前におびき出すこともできるはずだ。


「確かに我々の持つカードを考えるとそれが一番効果的だとは思うが……」

「で、でもじっちゃん達が危ない目に遭うのは嫌です!」


 同意の念を示すスーンとは異なり、立ち上がって抗議をしたのは彼らの孫であるフィニティだ。彼女からしたら、せっかく二年ぶりに自分の家族と会えたのに、その家族を危険な目に遭わせるのは何としても避けたいところだろう。


「わかってるさフィニティ。勿論君のお爺さんたちの安全には配慮する。そのために皆で作戦を練りたいんだ」


 彼女の思いを聞いて、笑顔でそう答えのは策を提案した生徒会長だ。彼も仲間の一人だ。この場にいる誰も傷つけずに、物事を進めたいと強く思っていた。そんな彼の言葉を聞いて、フィニティは大人しく椅子に座る。


「……わかりました。ならいいです」

「とはいえ、奴も古代魔法の使い手。想定外の攻撃をしてくることも考慮して動かんといかんのう」

「それより先に、どうやっておびき出すか考えた方が良くないか?」


 ハジメが言ったように、まずドアンドの気を引くような餌の撒き方を考えなければ、その後のことは捕らぬ狸の皮算用だ。

 大衆に知らせてもいい内容と、それでいてドアンドの気を引くような謳い文句。その二つを考え始めるも、一同には中々良い案が浮かばない。何だか再び行き詰ってしまったようだと、溜息を吐く生徒達であった。

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