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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード10

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EP10-17 - 目的はいずこ

「何故この時代にやって来たのか、それを答える前にドアンドはフードを取った。そして気が付いたのじゃが、この時代へやって来た彼はワシらのいた時間軸よりも後の時代からやって来たようでのう」

「どういうことですか?」

「単純な話じゃ。彼の見せた素顔が、ワシらの知っているドアンドよりも老けていたのでな」

 

 なるほど。現代にやって来たとしても、同じ時代から来たとは限らないわけだ。ドアンドはゲシハー達がこの時代にやって来たあとの時間軸から追いかけてきたらしい。


「そうして素顔を見せてから、彼は質問に答えた。といっても、それは回答とは言い難いものじゃったがな」

「なんと答えたんですか?」

「答える義務はない、とな」

「それは……」


 確かに回答にはなっていない。しかし答えないということは、何か目的があってこの時代へとやって来たということだろう。その目的さえわかれば、今後のドアンドの動きがわかりそうなものだが。


「そんな答えに納得できず、ワシらはドアンドに再びこの時代へ来た理由を問いかけた。わざわざ時間を超えてワシらのいる時代へとやってきたのじゃ。何かを企んでいるに違いない、と思っての」

「でもね。わたしたちは質問に答えてもらうことばかり気にしていて、彼の細かい動きを見ていなかったの」

「うむ。彼の手に魔法陣が浮かんでいたことに気が付いた頃にはもう遅かった。ドアンドは魔法陣が浮かぶ手に玉を持っており、それをワシらの方へと掲げた。そして……」


 その玉が例の白い玉であり、封印されて今に至るということらしい。封じられている間の記憶はなく、気が付いたら目の前にセンやリーバたちがいたとゲシハーは言った。

 ここまで話したゲシハーは、次にドアンドの目的について話題を切り替えた。自分たちが封じられている間、彼は一体何をしたのかを周りに問いかけていく。その質問へ第一に答えたのはエリーだった。


「黒いコートの人物は貴方たちが書いたという本を狙っていました。災厄がどうとか書いている奴です」

「……あれか!」


 エリーの言葉を聞いて、ゲシハーはすぐ心当たりに気が付く。彼は眉間に皺を寄せ、額に汗をかいている。その様子からは良い展開を想像することはとても難しかった。

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