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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード10

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EP10-16 - 遺跡の中で

「先ほどまで話していたように、この時代へとやってきたワシらはなるべく目立たぬように山の中で過ごしていた。しかし……」


 人があまり寄り付かないヤクノシュ山に拠点を構えたフレイン一家は、時々その家から街へ下りつつも、基本は山の中で日々を過ごしていた。そんな彼らが家を出てフィニティを一人にしたのは、この時代へとやって来たドアンドに会いに行ったためだという。


「明らかに異常な魔法力を検知したワシら夫婦は、その魔法力の雰囲気に覚えがあっての」

「もしかしたらドアンドがやって来たのではないかと思うと放ってはおけなくてね。確かめに行くことにしたのよ」


 どうやらゲシハー達は人の持つ魔法力を検知することができるらしい。これまでにはなかった魔法力を検知した彼らは、その正体を確かめる目的で家を出たそうだ。


「結果的にそれはドアンド本人の魔力じゃった。しかし、家を出る時はあくまで確認が目的だったわけでの」

「それでフィニティには用事があるとしか言わなかったわけですね」

「うむ。まさかあんなことになるとは思わなくてのう」


 あくまで本人達はすぐ家へと戻るつもりだったのだ。そこから二年もの間、住まいに戻ることができなくなるなど、考えてもいなかったらしい。孫に悪いことをしたと、彼らの表情はそう物語っていた。


「魔法力を感じた場所はとある遺跡の中じゃった。その遺跡へたどり着くと、入口が既に開いていたのじゃ」

「既に関係者が調査していた……というわけではないですよね」

「違うじゃろうな。調査をしたのであれば人が歩きやすいように道が整えられていたはずじゃからのう」


 ゲシハーが言うには、遺跡は入口が開いていたものの石や鉱物などが至る所に置かれており、人が歩いたような形跡は見られなかったということだ。光が届かない洞窟のような遺跡を炎の魔法を灯り代わりにしながら、二人は魔法力を感じた奥の方へと進んでいった。そしてその奥には、先ほど話したある人物がいたとのことだ。


「そこにいたのが黒いコートを着ていた人物じゃった。ワシらはそ奴と対峙し、声をかけた」


 お前は何者だ、まさか自分たちと同じように過去からやって来たのか。ゲシハーはそう問いただしたという。


「コートの人物は言葉で答えない代わりに、顔を覆っていたフードを上げた。そこで奴の正体がわかったのじゃ」

「ドアンド・フレインだった、ということですね」


 ドアンドが時を超えて今の時代へとやって来た。次にゲシハーたちは、何故この時代へとやって来たのかを質問したとのことだった。

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