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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード10

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EP10-15 - 黒コートの正体は

 フィニティを傷つけた黒いコートの人物。その人物の手によって、ゲシハーとサオエルは白い玉に封じ込められていたという。

 確かに考えてみれば辻褄は合う。封印の魔法というものは現代の魔法には存在しないのだから、古代魔法を扱える人物が彼らを封じていたのは明らかだ。そして現代で古代魔法を自由自在に扱うことができるのはフィニティとあの黒いコートの人物くらいのはずだ。フィニティが自分たちの祖父母を封印する理由などないし、だとすると封印を行ったのは黒いコートの人物しか考えられないだろう。


「しかし、何故あの人物はゲシハーさんたちを封じ込めたのです?」

「うむ。それはワシらがあの男に対して脅威だったからじゃろう」

「脅威……。いや、それよりもあの男って」


 例の人物は全身をコートで覆っていることもあり、体型がわかりにくい。加えて声も中性的であり、そこからも正体の判別がし辛かった。そんな人物を、ゲシハーは”男”と断言した。つまりゲシハーは、黒コートの人物の正体を知っているということになる。


「うむ。あの男、フィニティを傷つけたそやつの正体じゃが――」


 フィニティが手にしていた本を奪うため、彼女の命を奪った男。その正体は。


「先ほどまで話していた男、ドアンド・フレイン。それがやつの正体じゃ」

「なっ――」


 ドアンド。フィニティの父親。過去にフレイン一家へ危害を加えていた男は、現代まで追いかけてきたというのか。一体彼は何の執念があってそこまでするのだろうか。


「それ、本当なの?」

「うむ。彼と対峙した時に顔を見た。間違いあるまい」


 フィニティが家族に対して確認を行うと、首を縦に振ってゲシハーは答えた。隣に立つサオエルさんも、コートを抜いだ彼を見たと発言する。


「それにしても、何故ドアンドさんはゲシハーさん達の下へとやって来たんでしょう」

「うむ。その疑問は半分合っていて、半分は間違っておっての」

「間違い?」


 間違いとはなんだろうか。今の疑問に間違いを感じる部分はないはずだ。疑問を呈した生徒会長はそう思った。


「確かにドアンドが現代にやって来た理由はわからんかった。じゃが、そんなドアンドの下へ赴いたのはワシら自身なのじゃ」


 ゲシハーの回答によると、自分たちからドアンドへ会いに行ったことが半分の間違いらしい。


「そう。ワシらが二年前にフィーの下を離れたのはドアンドに会うためだったのじゃ」

「えっ」


 フィニティが一人で二年という時間を一人で過ごすことになった理由。それにドアンドが関係していた。古代だけではなく、彼との因縁は今この時間にまで続いていた。

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