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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード10

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EP10-13 - 過去から現在へ

「暴走するドアンドをワシら夫妻は止めようとしたのじゃが、失敗してのう」

「……わたしたちが戦いをしているうちに、流れ弾がフィーの方に行ってね。それを庇ったのがオコサだったの」

「それでオコサさんが亡くなってしまったということ、ですか」


 ゲシハーとサオエルは無言で首を縦に動かした。自分たちの娘が結婚相手に殺されたこと、それがドアンドと決別する最大のきっかけとなったらしい。

 ゲシハーたちは夫婦で最後の力を合わせ、命からがらフィニティとオコサの亡骸を連れて逃げ出し、自分たちの娘を伴った後に計画していた逃亡を開始したとのことだ。時空魔法を使うという結論に至ったのはこの時代にいる限り自分たちが平穏に過ごせる場所はないと考えたためであり、具体的な年代は決めていなかったものの、他の者たちが自分たちを追いかけてこれないように魔法力を最大限に発揮して今の時代へとやって来た、とのことだ。


「そこからワシらは人の目を避けながら過ごし、数か月ほど経った頃に人が訪れないという山の奥に拠点を建てた」

「それがヤクノシュ山にある小屋というわけですね」

「その通りじゃ。その後、約数十年ほどワシらは三人であの小屋で暮らしていた。丁度あの山は自然が豊富で暮らしには全く困らなくてのう」


 しかし、その暮らしは続かなかったことをセンやフィニティは知っている。ゲシハーとサオエルはフィニティを置いて小屋を出て行ったのだから。

 それと、一切あの山を出なかったということでもないだろう。王立図書館の司書がゲシハーとサオエルに会い、手紙を残しているのだ。エリーがそのことを二人に問い、何故そのようなことをしたのか意図を確かめようとする。


「うむ。ワシらは拠点を建てた後、この時代がどういう時代なのかを少しずつ調べていたのじゃ。最初はワシだけが街に下り、その街の文化や歴史などを調べての」


 そうして転移魔法などを使いながら少しずつ調査範囲を広げ、やがて王都にて現在語られている世界史などを調べていったとのことだ。そこで自分たちが元過ごしていた時代は古代、またはユニヴァース・ロストという名前で呼ばれており、文化や文明が一度全て滅びていることを知ったとのことだった。

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