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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード10

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EP10-5 - 魔核の正体

「四つの魔法を同時に……じゃと?」

「そんなのできるのか?」


 リーバとハジメが疑問を口にした。先ほどエリーも心の中で思ったことだが、魔法は一つ唱えるだけでも大変なのだ。それを四つも同時に唱えるだなんて、魔法力が足りないはずだ。


「うむ。あくまで理論上は可能じゃろう。しかし、常人の魔法力では不可能じゃ」

「やっぱり」


 ゲシハーの言った答えを、エリーも予想していた。普通の人間では魔法力が足りず、四つ同時に魔法を唱える前に気を失ってしまうだろう。それを使える人間なんて……とエリーは思うが、実際にフィニティはヤクノシュ山でセンに、マージ・モンドでエリーに治癒魔法を使っている。才能がある魔法使いならば使いこなすことができるのだろうか。


「そこで、ゲシハーは治癒魔法を使うにあたり、ある提案をしてきたのじゃ」

「提案?」

「うむ。それは高い魔法力を持つ生命体を創り出し、その生命体を手なずけるというものじゃった」


 生命体を創る。先ほどの人間の複製と同じく、生命の扱いが随分軽いようにエリーたちは感じた。


「そしてその生命体は人間、人型がいいとドアンドは言った。その方が意思疎通がしやすいだろう、とな」

「人間ならわざわざ魔法で作りださなくてもいいのでは……」

「確かに自然と生まれてくる人間の中にも高い魔法力を持った者が生まれてくるじゃろう。しかし、いつ生まれてくるかわからないその人物を待っていては娘を救えない。ドアンドはそう言っての」


 ドアンドが言ったというその言葉は一見正しいように聞こえる。しかし、それを理由に身勝手に生命体を創り出すのは、一般的な倫理観から外れているのではないだろうか。


「彼は続けてこう言った。『そして元々魔法力の高い人物を複製し、調整すればすぐに目的の生命体を創り出せる』と」

「調整って、どんな?」

「魔法力を込めた核を埋めること――。そうすることで魔臓の他に魔法力を生成する臓器を増やす目的じゃ」

「核……。あ、フィニティの体に埋め込んでいたもの!」

「うむ。フィニティにも埋め込まれている魔核。それは元々ドアンドの提案から生み出されたものなのじゃ」


 ドアンドによって作られた『魔核』。それが埋め込まれた、複製された命であるフィニティ。

 段々と繋がっていく話に、一同は唾を飲み込んだ。

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