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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード9

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EP9-15 - こっちは何とか見つかった

 リーバとワイル、そしてショージュがそれぞれの作業に移ってから約一時間ほど経ったとき、リーバが本から顔を上げた。その表情は極めて明るく、どうやら白い玉に書かれている封印を解く魔法を見つけることができたようだった。


「何とか一歩前進できたようじゃぞ」

「見つけたんだな?」

「あぁ。この部分を見てくれたもれ」


 彼女が指を差す先に書かれていたのは一つの魔法文。ハジメたちは先ほどそうしたように、リーバが書いた単語の意味をその文章の順番通りに口に出していく。すると、このような単語の順番になった。

 ――『閉じ込める』『災厄』『人間』『解放』。


「人間の解放って、それドンピシャじゃん!」


 この文章を見て、真っ先に声を上げたのはシャータだ。今、皆が欲しかった情報に近い文章を見つけることができ、興奮している様子だった。


「それにしても、思ったより早く見つかったな」

「うむ。ワシも徹夜作業になるかと思っていたのじゃが、途中で封印とそれを解く魔法は表裏一体だと考えての。もしかしたら封印の魔法が書かれているページの近くに目的のものが書かれているのではないかと思ったら、そのまさかだったのじゃ」

「へぇ、やるなぁ」


 顔に疲労の色も滲んでいるものの、どこか満足気な表情をリーバは浮かべていた。そして近くに座っているもう一人の作業者にも声が届いていたようで、彼は一度本から目を離して会話に加わり始める。


「お前、その古代魔法を唱えることはできないのか?」

「試してはみるが、難しいじゃろうな。フィニティが唱えていた魔法の詠唱はちゃんと一つの文章となっておった。推測した単語の羅列では流石に魔法にならんじゃろうて」

「なら、あとはボクらが頑張るべきだということか」


 ワイルは視線を再び手元の本へ移すと、彼はショージュと共に現代魔法への変換を進める。マージ・モンドだけではなく、世界全体で見ても恐らく初めて行われる作業だ。骨が折れる作業を、彼らは黙々と進めていく。それは同じ学校の生徒を救うという目的のためだけではなく、自身の知識を証明するという意図も含まれていた。

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