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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード9

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EP9-12 - 実技魔法研究会再び

「え、実技魔法研究会?」

「二人ってまさか、ワイルとショージュのことか?」


 リーバの口から出た予想外の名前に、その場にいた他の人物たちは思わず聞き返すことになった。

 実技魔法研究会、リーバたちが所属している古代魔法研究会とは異なり、現代で使用されている魔法を研究している同好会だ。その中でワイルとショージュという二人とは過去に古代魔法研究会とひと悶着あったことを、この場にいる全員が知っている。


「うむ、その通りじゃ。あの二人にも協力してもらおうかと思っての」

「待てよ。封印は古代魔法にのみ存在するんじゃないかって、お前が言っていたんだぞ」

「何かを解放する魔法は現代魔法にもあるかもしれんじゃろ。今は知識のある者を少しでも多く集めるべきじゃ」

「……まあ、その通りだな」


 そもそも今現在の状態で、何かの封印がされているであろう目の前の白い玉に対して、何もできることはないのだ。ならば人を増やして改めて対応策を考えられるよう努めた方が良い、それがリーバの考えだった。彼女の話を聞いた一同は、その考えに納得し、実技魔法研究会の生徒二人を連れてくることにした。


「あ、館長。すまんが閉館時間後にまたやってくるからの」


 ……帰るのが遅くなった館長は、少しだけ嫌そうな顔をして一同を送り出した。


 ――――――


「事情はわかったけど」

「封印だとか解放だとか、ボクたちもそんな魔法は知らないぞ」


 日が暮れて空が黒く染まり、時間はとっくに夜になっていた。

 そんな時に学校へ戻って来た一同は、ちょうど研究室から寮へと帰ろうとしているワイルとショージュの二人を捕まえて事情を説明し、協力の要請を申し出た。しかし、その話を聞いた二人は眉間に皺を寄せた仏頂面でそう答える。


「お前が考えている通りだよ、リーバ。恐らく封印の魔法っていうのは古代魔法にしか存在しないんだろう。ボクらじゃ力になれない」

「それを決めるのはワシらじゃ。頼む、協力してくれんかの」

「……まぁ、行くだけならいいが」


 リーバの頼みを承諾するものの、ワイルの仏頂面は変わらない。ついでにショージュの表情も変わらない。先ほど彼が言っていたように、力になれるとは思っていないのだろう。

 しかし、センとは違う目線で現代魔法について詳しい彼らなら、何かしら新しい案を出してくれるかもしれない。半ば強引に、リーバたちは二人を連れて博物館へと戻っていくのであった。

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