EP9-11 - 悩みの種を間引きましょう
「封印を解くってどうやって?」
「だからそれが悩みの種なのじゃよ」
リーバは本日何度目かわからない溜息を吐くと、悩みの種となっている封印の解き方についてを話し始めた。
「お主ら、封印を解く魔法なんて知らんじゃろ?」
「そりゃあ、授業で習わなかったからねえ」
「ワシも同じじゃ。つまり、この玉の謎を確かめようにも、封印を解く方法がわからんということじゃ」
この玉に何かが封じ込められているとしても、それを確かめる手段がない。お手上げ状態だったから、センと生徒会長も歯切れの悪い反応しかできなかったのだろう。
勿論リーバの推測が間違っている可能性もある。しかし、一度出した結論以外の答えを用意するとしたら、またかなりの時間を要してしまうだろう。更にリーバは集中して作業に取り組んでいたこともあり、かなり疲弊している。今回以上に精度の高い回答を用意できるとは思い難い。
「センちゃんは知らない? 教師でしょ」
「すまないが力になれそうにないんだ。そもそも封印の魔法というものがあるなんて知らなかった……」
申し訳なさそうな表情を浮かべるセン。そんな彼を責められる人間などおらず、寧ろ皆、同情の視線を送っていた。
「恐らく古代魔法にのみ存在する魔法じゃないかな。現代魔法でそんなことができるなんて聞いたことがない」
「生徒会長の言う通りじゃろうな。大体物に物を封じ込めるなんてできたら、様々な悪さができるじゃろうて」
「悪さって、例えばどんなのだい?」
「凶器を小さい玉か何かに封じ込めておいて、必要な時に取り出すことができれば暗殺は容易くなるじゃろうな」
「なんでその発想がすぐ出てくるのかな……」
「二人とも、雑談している場合じゃないでしょ」
何はともあれ、封印を解く魔法というものを探さないと、玉の謎を解くことはできなさそうである。それがリーバの出した答えだった。
しかし、先ほど話題に挙がったように、皆封印を解く魔法のことを知らない。ヒントもない。
どうしたものかと頭を抱える中、リーバの頭の中にとある人物たちの存在が現れる。かつてひと悶着があったとある二人だ。
「……実技魔法研究会の二人に声を掛けてみるっていうのはどうじゃろ」




