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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード9

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EP9-9 - リーバの踏ん張りどころ

「うぅむ」


 リーバとセンと生徒会長の三人が古文書、及び古代文字が記された白い玉とのにらめっこを始めてから約二時間ほど経過した。

 未だ白玉に書かれている古代文字を解読できていない三人は、唸り声を上げながら古代魔法の解読を急ぎ進めていた。


「見覚えのない単語が多すぎるのー。本当に骨が折れる作業じゃて」

「すまない。全く戦力になれず……」


 三人は並んで本とのにらめっこをしているものの、主に解読を進めているのはリーバだけであった。それも当然のことだろう。彼女は古代魔法研究会の古参メンバーであり、多くの古代語に触れてきた。完全に読み解けるフィニティには敵わないものの、古代魔法の詠唱文の雰囲気くらいは理解できている。

 とはいえ、あくまで理解できているのは雰囲気だけ。新たに目にした魔法文を解読するにはかなりの労力が必要だ。延々と続く活字との闘いは、徐々に彼女の精神力を削っていく。


「これほど時間を使って半分も魔法文が読み解けないとはの。想像以上にしんどい作業じゃのー」

「君も休憩を挟んだほうがいいんじゃないかな。そうだ、何か飲み物でも買って来るかい?」

「気持ちは嬉しいが、今は時間が惜しいからの。ここが踏ん張りどころだと思って頑張るわい」


 リーバは軽くストレッチをして体をほぐすと、再び本に向き合い始める。そしてペンを取り解読を再開しつつ、『そうじゃ』と何かを思いついた様子で二人の方へと向き直った。


「お主らは館長殿に頼んで、閉館時間が過ぎてもワシらが残っていいように交渉をしてもらえんかの?」

「わかった。行こう先生」

「あぁ、交渉の方は任せてくれ。解読は頼んだよリーバ」


 そうして一人残されたリーバは、再度白い玉に書かれた魔法文の解読をし始めた。これまでと同じように様々な文章から読み解ける単語を確認し、前後の単語の意味を推測してメモをとっていく。そうした作業を繰り返して約一時間後、センと生徒会長は館長から閉館後も居残りができる許可をいただいて戻って来た。


「リーバ、調子はどうだい?」

「うむ、意外と悪くないぞ」


 推測できる単語の数が増えたことで、最初と比べて解読できる単語の数が増えてきたとのことだ。この調子であればあと数時間、時間をとれれば一時的な解読結果を伝えられそうだとリーバは言った。

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