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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード2

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EP2-9 - 何も知らない人

あけましておめでとうございます。

今年は完結を目指して頑張ります。

「それでチャーティー先生、この子は?」


 女生徒はセンの息が整ったタイミングで話の進行をし始める。そこで初めて、センはこの場に自分たち以外の人物がいることを認識した。


「あぁ、エリーもいたんだな」

「最初からいましたけど」


 金髪の少女、エリー・サーベス。

 先ほどからフィニティに話しかけていたこの少女は、この学校の一生徒だ。しかし、とある事情から他の生徒とは違う目で見られることが多かった。

 陽が落ちていて生徒たちが少ないこの時間でなければ、彼女の周りには人だかりができているに違いない。そんなエリーの存在に気が付かないのは、マージ・モンド中を探してもセンくらいだろう。

 

「この子はフィニティ・フレイン。ヤクノシュ山で暮らしていたところを僕が連れてきたんだ」

「……ヤクノシュ山に人が住めるような環境はなかったと思うのですが」

「だから連れてきた」

「訳ありということですね。わかりました」


 エリーは詳細まで聞かなかったが、これまでのフィニティの発言を考えると、複雑な事情があることは理解できた。今はこれ以上知る必要がないと判断した彼女は、別の話題を切り出し始める。


「では、セン先生はこの子をどうするつもりなんです?」

「あぁ、それそれ! すぐ準備ができそうなんだ。だからフィニティを魔法実験室に連れて行こうと思って」

「……話が見えません。実験室に連れて行ってどうするつもりなんですか」


 そもそもエリーは、フィニティが魔法使いだということも知らないのだ。センが考えていることが全く伝わってこないのも当然と言えるだろう。当の本人であるフィニティは全く話についていけずポカンと口を開けている。


「だから、魔法力を測るんだよ」

「測るって、どうして」

「身体検査だよ。彼女にはこの学校に入ってもらおうと思うんだ」

「なるほど。……は?」


 思わず眉を顰めるエリー。聞き間違いだっただろうか、と思ったがどうやら違うらしい。

 どうみてもこの山育ちにマージ・モンドへ入学できるほどの魔法力があるとは思えないのだが……。内心そう思うエリーであったが、目の前にいる教師がやると言っている以上、彼女に止める権利はなかった。


「……じゃ、この子のことは先生に任せます。私は寮に戻りますので」


 なんだか厄介ごとに巻き込まれそうだ。そう思った彼女はその場を去ろうと踵を返そうとした。

 

「そうだ。ちょっとエリーも手伝ってくれないか。内心点を上げとくからさ」

「……仕方ないですね、手伝ってあげます」


 しかし、エリーも学生。内心点という響きには逆らえない。

 こうしてフィニティはセンとエリーによる先導のもと、魔法実験室という場所へと連れて行かれることとなった。手を繋ぐ少女二人の姿は、まるで姉妹のようであった。た。

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