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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード8

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EP8-19 - 一歩の行き先が決まっていく

「さて、そろそろ次の方針を決めよう」


 そう言って次の話を進めようとするセン。フィニティを助けるための時間が限られている以上、考える時間にも区切りが必要だ。シャータやリーバが語った推測を生かしつつ、次に何の行動をとるかを考える必要があった。


「今日はフィニティのお爺さんたちを探す班と、フィニティを助けるための方法を探す班に分かれたよな?」

「あぁ。ワシとセンがフィニティの家に行って治癒魔法が使えるであろう家族を探し、お主らとエリーが彼女を治すための方法を探す、という方針じゃったの」

「エリー以外は黒いコートの人物を探す方に舵を切ったわけだけだどねぇ」

「それで、成果はほとんどナシ。幾つかの可能性だけが残った感じだね?」


 今日わかったことをまとめに入る一同。幾つかの可能性が浮かび上がったものの、フィニティを助けるための手がかりになりそうなものは今のところ見つかっていない。次にとるべき行動は何なのか、今度はそれを議論し始める。


「他にフィニティに縁のある場所や出来事ってないのかい?」


 この中で、一番フィニティとの付き合いが短い生徒会長が皆に問いかける。各々はこれまでのフィニティとの関わりを思い出し、記憶の中から手がかりを探し始める。


「そうだなぁ。……何かある、ハジメ?」

「特別枠クラスでは授業以外特に何もしていなかったからなぁ」

「研究会でも基本は本を読んでいるだけだったからのう」


 しかし、中々特別な出来事は思い出せない。普段の日常生活の出来事の方が強く記憶に残っているのだ。もしかしたらここにエリーがいたら何か手がかりを見つけてくれるかもしれないのだが。


「古代魔法……古代……古学……」


 と、そこでセンが何かを思い出す。これまでにフィニティが行った行動の中で、今回の王都への出発以外に学校の外へ出たことがあったはずだ。あれは確か。


「そういえば、博物館に行ったことがあったよな?」

「博物館?」

「……あ、古学博物館のことかの」


 それは古代魔法研究会にフィニティが来てから二週間経ったあと、リーバが企画して行ったイベントだった。フィニティ、エリー、リーバ、ハジメ、センの五人で古学博物館に向かい、そしてフィニティが倒れたのだ。


「あの後、フィニティが祖父に関する夢を見たって言ってなかった?」

「そういえばそんなこともあったな」

「ということは次は……」


 向かうべき場所は決まった。フィニティが不調に陥った原因だと思われる場所。そして、彼女を助けるための手がかりがあるかもしれない場所。

 古学博物館だ。

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