EP8-2 - 意思がそれぞれ合った人
「わかった。じゃあ二手に分かれよう。フィニティの祖父母を探しに彼女の家に行く組と、マージ・モンドに行って別の治療法を探す組だ」
センはエリーの意見を聞いてそう提案する。残された時間がごくわずかであることを考慮すると、手分けしてそれぞれの目的を果たした方が良さそうだ。その考えが伝わったのか、生徒たちはセンが述べた意見に対して首を縦にして肯定の意を示す。
「リーバは僕と一緒に来てくれ。少しでも古代魔法について知っている人がいてくれると助かる」
「合点招致じゃ。力になれるかどうかはわからんが、最善を尽くすことを約束するぞよ」
いつもならば軽口やら不満やらを言いそうな場面ではあるが、流石に状況が状況だ。リーバは普段あまり見せない真剣な表情をしてそう答える。
「俺はエリーについていこう。一度、手紙を出す必要がありそうだ」
次にそう言い出したのはハジメだ。彼は少々バツの悪そうな顔をして手を上げていた。
「明日からのバイトを断るため、一報を入れようと思ってな。馬車に乗りながらそれを書いて、配送屋を使って届け出を出してくる」
そう言うと彼はエリーの隣へと歩いていった。彼女と共に馬車に乗ると言う意思表示なのだろう。
「わかった。じゃあハジメとエリーはエハキガまで戻ってくれ」
「すまないな。一分一秒も惜しいのは承知の上だ、急いで用事を済ませてくるさ」
センとリーバ、エリーとハジメでそれぞれ目的地が決まった。残るは生徒会長だが、彼の答えも既に決まっているようだ。スタスタとエリー達のもとへ歩いていく。
「オレも学校へ戻るとしよう。やることがあるからねぇ」
「やること? もしかして生徒会の仕事か?」
「さてはお主、この件から下りるつもりかの」
「心外だなぁ。オレがそこまで薄情な人間に見えるかい?」
ギロリと睨みつけるリーバに対し、生徒会長は普段通りの飄々とした態度でそう答えた。彼がフィニティと行動を共にするのは今日が初めてのことであるが、それなりに情が湧いたらしい。
「だが、ちょっと言い難いことでね。後で全て話すから、一旦ここは見逃してくれないかな?」
「……わかった。僕たちの方はフィニティの家にたどり着けたらすぐにマージ・モンドに戻るから、後で合流しよう」
彼が何を隠しているのかは気にはなるが、後で話すというのならそれを信じよう。それに、今ここで問いただすことに時間を使うことはあまり得策ではないはずだ。
かくして一同はエリー、ハジメ、生徒会長のマージ・モンドへ戻る組と、センとリーバのヤクノシュ山へ向かう組に分かれ行動を始めるのであった。
テイルズオブグレイセスを買ったら楽しすぎてめっちゃ時間を奪われてます……。




