EP2-6 - 出迎えるマージ・モンド
魔法学校、マージ・モンド。
昨年設立されたこの学校は、設立者であるスーン・サーベスという男の意向を基に経営されている。その意向とは『高い魔法力を持つ優秀な魔法使いを輩出する』というものだ。
魔法の専門学校というものは世界各地に設立されている。だが各学校の教育内容が統一されていないこともあり、卒業した魔法使いの能力もピンからキリまで様々であった。スーンはそれを良しと思わず、ならば自分が最高峰の魔法学校を経営することで、『マージ・モンドを卒業した優秀な魔法使い』という人材を輩出することを考えた。また、実力主義で世界各地から生徒を募集することで、その生徒たちが地元に帰るなどをした際に世界中の魔法使いを上げるという目的も含まれているらしい。
そんな彼の考えを実現させるため、この学校へ入学するためには大事な必須事項があった。それは素の魔法力の高さだ。
魔臓という人間の体内にある臓器、その臓器の強さが魔法力と言われているのだが、これは人によってまちまちだ。魔法力の弱い両親から唐突に強い魔法力を持つ子どもが生まれた。そんな例がざらに存在し、またその逆もある。魔法力は肉体とともにある程度成長するものの、それでも素の魔法力の強さには敵わないと言われているのだ。この学校に所属できるのは、その魔法力が高い人間のみだった。
言い返せば、生徒に求められるのは魔法力の強さだけだ。魔法に関する基礎知識や実技については学校の教育プログラムに含まれている。これにより、これまで学校に通うことができなかった貧乏な家庭の子どもでも、一から魔法を学ぶことができた。特に魔法力の強い生徒に至っては学費の補助や免除が行われており、それを目当てにこの学校へ通う生徒も少なくない。
勿論教員には知識も求められる。教員の採用条件には魔法力の基準値を上回る必要がある他、試験による筆記試験や実技試験を突破する必要があった。ここにいるセンも試験を合格した一人だ。彼は自分が思っているよりも優秀であった。
さて、そんなセンだが一つの考えがあり、フィニティをここまで連れてきた。校内を共に歩く彼女は街へ到着した時のように、目新しい光景に興奮しながら辺りを見渡している。広々とした建物に入ったのは初めてだからだろう。各設備やすれ違う人の姿を見て小さく歓声を上げていた。
「見たことないものがたくさんあるー!」
「はは、フィニティ。気持ちはわかるが落ち着いてくれ」
そうして二人がたどり着いたのは教員室だった。部屋に入ったセンはある書類を探し始める。それは、フィニティがこれからこの街に住むため必要な物だった。
そろそろ年末ですが、今のところ同じペースで投稿予定です。




