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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード7

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EP7-16 - 騒動の裏側では

「いやぁ助かったよ。このまま合流できないんじゃないかと思ったからね」


 ようやく集まることができた古代魔法研究会の一同は、同じ卓について一息ついていた。テーブルの上には人数分の水と、幾つかの料理が並ばれている。


「ところで、どうしてお前達はすぐに店に入ってこなかったんだ?」

「いや、それが……」


 ハジメから問いかけられたセンは何故か口ごもり、質問に答えようとしない。代わりに質問に答えたのは、彼と行動を共にしていたエリーだった。


「ナンパよ、ナンパ」

「ほう?」


 溜息交じりに答えたエリーの言葉に釣られたのは、その言葉と同じ被害にあったリーバだ。といっても、彼女はそのナンパをされて嬉しそうにはしていたのだが。


「まさかお主も男達に声を掛けられていたとはのー。相手は一体どんな男じゃ。男前か?」

「私じゃない。声を掛けられたのはチャーティー先生のほうよ」

「……ほう?」


 それは予想外だった、とでも言わんばかりにリーバはセンの方を見る。そういえば彼は一部の女子生徒に人気があったことを思い出した。確かに彼の顔をよく見てみると、中々整った顔立ちをしているような気がする。


「店に入る直前に女性から声を掛けられたんだ。断ったんだけど何故か手を引かれて……」

「で、先生を連れ戻してたらこんな時間になったってわけ」

「へー。お二人を見つけた時になんか汗だくだなって思ってましたが、そんなことがあったんですね」


 店の外へ出て二人を探しに行ったのはフィニティだ。彼女も店へ帰ってくるまで時間がかかっていたが、そのような出来事があったのでは探すのに苦労したのも仕方のないことだろう。


「汗だくになるくらい大変だったのか?」

「まぁ……色々とね」

「色々と、のう。それはフィニティに聞かせても良いことかえ?」

「それは……」

「え、あたしが何ですか?」


 どうやらセンの身に起きたことを想像できていないのはフィニティだけのようだ。そのことに気が付いたフィニティは詳細を知ろうと周りに問いかけてみようとするが、返ってくるのは生返事ばかりだ。


「何だかよくわかりません……」

「わからないということも時には大事だということだねぇ。それよりフィニティ、この肉団子は中々美味しいよ」

「あ、いただきます!」


 生徒会長の誘導によって、どうやら彼女の興味はテーブルに並ぶ料理に移ったようだ。大人の会話はそこで終わり、一同はとりあえず一時の休息をとることを優先するのであった。

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