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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード7

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EP7-12 - 酒場の荒くれ者たち

「ほぉ。ここが酒場か」

「入ったのは初めてだけど、ずいぶんと賑やかだねぇ」


 先に酒場へ入ったのは男性陣であるハジメと生徒会長の二人だ。彼らは初めて入った酒場を見渡すと、その中で空いている席へと座り、店の外にいる残りのメンバーを呼び寄せる。続いて入店したのはリーバとフィニティだった。


「どうじゃ? 酔っぱらった荒くれ者はいそうかえ?」

「おいおい昔の創作話じゃあないんだぞ。そうそう荒くれ者なんているわけないだろう」

「……いや、そうとも限らなさそうだ。周りを見たまえ」


 生徒会長の言葉に従って周囲を見てみると、ここにいるのはガタイの良い男たちばかりだった。マージ・モンドでは背の高い生徒であるハジメでさえ、この中では何だか小さく見えてしまう。


「どうやらここにいる人々は騎士団関係者が多いらしい」

「何でそう思うんだ?」

「さっき隣で『今日の訓練も疲れたな』と言っていたからねぇ。その発言と客層の体格を考えると、ここは団員たちの憩いの場と言えるんじゃないかな」

「ほー。つまりは肉体派の人間が酔っぱらって暴れ出したら、荒くれ者だと言えるということかの?」

「流石オレの幼馴染。以心伝心だねぇ」

「やめんか。お主と一心同体だなんて寒気がするわい」


 幼馴染二人がやいのやいのと言っている間に、一人の男がテーブルへと近づいてくる。てっきりそれが店員だと思い、メニュー表を見て料理を注文しようとしたハジメの前に、ドンッと勢いよく酒が入ったジョッキが叩きつけられた。


「ようよう兄ちゃんたち。その服ってことはまだ子どもだろ。いいのかい、こんなところに来て」


 ハジメを含め、皆が来ているのは制服だ。学生の代名詞であるその服は未成年であることを主張しており、自分たちは場違いだと主張しているようなものだ。

 とはいえ、大人が同伴していれば酒場に入ることは何の問題もないはず。そういえばセンがまだ入ってこないと思った一同は店の外へと視線を向けるものの、何故だか入って来る様子が見られない。

 一体どうしたのかと、様子を見に行こうと席を立ちあがったリーバ。しかし、そんな彼女の腕が何者かに掴まれる。それは近くに寄って来た男とはまた別の、何だかすかした男であった。


「なぁお嬢ちゃん。どこへ行くんだい?」

「なんじゃお主。ワシは外の連れを見に行こうと……」

「なあんだ。お嬢ちゃんを放っておくような奴なんて放っておけよ。それよりも、一緒に夜を過ごさないかい?」

「……お主、もしかしてナンパか?」


 女学生をナンパする成人。どこからどう見てもアウトな図ではあるが、何故だかナンパされた当の本人はどこか嬉しそうな顔をしていた。

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