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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード7

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EP7-9 - 豪華絢爛な街並み

「……はぁ」

「……ふぅ」

「あのー、二人ともお疲れのようですが大丈夫ですか」


 約半日ほどの時間をかけて、一同は王都へとたどり着いた。出発するときは雲一つないほど快晴だった空が、今では日が沈み始めている。もう少し待てば綺麗な夕焼けが見えるかもしれない。

 移動中はずっと座っていたこともあり、体が凝り固まっていた各々は、馬車から下りた後その体をほぐすようにストレッチをし始めた。その中で、何故かストレッチを始める前から額に汗をかいているリーバと生徒会長にフィニティが声を掛けると、二人はいつものように話をはぐらかす。


「いやぁ、思い出話に花が咲いていねぇ」

「実に見事な桃色の花弁でのー」

「えっ、話にお花って咲くんですか?」

「また適当なことを言って……。そんなことより、ほら見てよフィニティ」


 ストレッチを終えたエリー達の瞳に華やかな街並みが映し出される。マージ・モンドのある街、エハキガも十分大きな都市であったが、この王都は更に大きな街であった。

 店や家などの建物だけではなく、噴水や銅像、街灯などの建造物が様々な箇所に設置されており、正に絢爛という言葉がぴったりな街だ。日が沈みかけているにもかかわらず、その街灯の灯りのおかげで街は昼と勘違いしてしまうほどに明るく、とても活気がある。更に、道行く人々もその景色に負けないとでも言わんばかりに、色鮮やかできらびやかな衣服を身にまとっていた。制服を着ている今ならばともかく、普段の私服でこの街へとやって来たならば、田舎者と笑われていたかもしれない。

 しかしそんな派手な街並みを見たフィニティは眉間に皺を寄せ、視界を地面へと移す。あまりにも情報が多いせいで、頭がいっぱいになってしまったのかもしれない。


「うー。何だかくらくらしてきました」

「あ、ごめん。もしかして人に酔っちゃったのかな。ほら、空見て空」

「わー、暗くなってますねー」

「くらくらと暗いを掛けたのか?」

「こら皆、変なこと言っていないで閉館時間になる前に図書館へ行くぞ」


 センはこの街の地図を広げて先頭を歩き始め、生徒達はその後ろをついていく。一列になってぞろぞろと歩くその姿は、まるで軍隊の行進のようであった。

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