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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード7

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EP7-4 - 隠し事のその先へ

「それで、結局何を隠していたのじゃ?」

「あぁ、フィニティに話を聞きたいと言っている人がいるらしいの」

「ほう、話とな」


 ただ話を聞きたいというだけなのであればわざわざ隠すこともないはずだ。それを本人に伝えず、周りにも漏らさないようにしていたということは、やはり不都合があるということだろうか。


「フィニティの存在が誰かにばれたということかえ?」

「いいや、幼いのに魔法を使えるすごい生徒がいる、くらいの情報しか伝わっていないらしいわ」

「古代魔法については特に言及されていない、ということか」

「ええ。とはいえ、外部の人間が一生徒のことを知りたいだなんて今までになかった話よ」


 確かにそうだ。マージ・モンドは昨年開校された学校であり、今のところ卒業した生徒すらいない。今まで理事長に対して取材が行われていることはあったものの、外部の人間が生徒へ話を聞きに来たということなどなかった。それはつまり、その人物にとってフィニティは余程興味を惹く生徒だということだろう。


「話は理解できたぞ。その外部の人間とやらは一体何者なのじゃ?」

「とある新聞社の社員らしいわ。どうやらうちの学校の生徒にその人の子どもがいるみたい」

「なるほどのー。その生徒経由でフィニティの話が伝わったということか」

「そういうこと。とはいえ、取材させるわけにもいかないでしょ?」


 その新聞社の人間とやらがフィニティに話を聞くこと、それ自体は何の問題もない。彼女は情報の通り、マージ・モンドに最年少で入学した天災魔法少女だ。

 しかし、魔法について質問されることがよくないのだ。彼女はこの学校で現代の魔法を学んでいるとはいえ、主に使えるのは古代の魔法だ。もし、その新聞社の人間とやらがフィニティに魔法を見せてくれなどと言ってきたら、フィニティは間違いなく古代魔法の方を使用するだろう。万が一そのことが報道されてしまった場合、以前危惧していたようにフィニティの力を悪いことに利用する人々だって出てくる可能性がある。そうならないように、事前に取材を断りたいとエリーは思っていた。


「でも断るための上手い理由が思いつかないんだよね」

「本人が嫌がっているということでは駄目なのか?」

「それも考えたんだけど、万が一取材の話が後から本人の耳に届いたとき、そんなこと言っていないってなったら面倒かなって」


 確かに。断る理由はなるべく嘘の情報が混ざっていないもののほうが良さそうだ。どうやらエリーもそのことについてずっと悩んでいるようだった。

完全に風邪を引いたみたいです……。

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