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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード6

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EP6-11 - 結局何が真実なのか

「あ、終わったみたいですよ」


 やがて互いにかける言葉が無くなったリーバと生徒会長を見てフィニティがそう言った。彼らのやり取りは互いの性格の指摘から始まり、過去の些細な出来事の振り返り、そして何故こんな奴と幼馴染になってしまったのかという自らの運命を呪う内容にまで発展していった。険悪な雰囲気にはなっていなかった辺り、本心からいがみ合っているわけではなさそうだが、それならそれでよくあそこまで互いを罵り合うことができるものだと、エリーは感心していた。


「気は済んだ?」


 今度はエリーがソファから立ち上がり、話が終わったリーバへ近づく。


「うむ。久々に心の底から好き勝手言えたような気がするわい」

「あんたいつも適当に好き勝手言ってるでしょ」

「それはそれという奴じゃ。さて、そろそろ本題に戻るとするかの」

「本題?」

「お主と生徒会長殿の密談についてじゃよ。忘れたとは言わせぬぞえ?」

「おう。そういえばそうだったな」


 ハジメの発言のように、一同はすっかり忘れていた。元々リーバたちはエリーが生徒会長に呼ばれた理由を確かめにこの生徒会室へやってきたのだ。幼馴染二人が派手に言い争いをし始めたことで、当初の目的がすっかり頭の片隅へと追いやられてしまっていた。


「まさか愛の告白ではなかろう?」

「当たり前でしょ。なんで碌に話をしたこともない奴から告白されるって言うのよ」

「ふむ。必要とあれば愛情を込めた言葉の一つや二つ、用意するが?」

「私はこんな変な奴から告白されても嬉しくない」

「同感じゃの」

「変な奴とは酷いねぇ。生徒からの人気はそこそこある方だと思っているんだけど」

「……なぁ。いい加減、話を先に進めないか?」


 リーバだけではなく、生徒会長も適当に話をするせいで話題に全く進展がない。ハジメが話に介入して仕切り直しをし、今度こそ何を話していたのかを確かめることとした。

 しかし、そうして聞き出した真実は意外にも大したことのない事実であった。


「……学園祭の話をしていたのよ」

「ガクエンサイ?」

「あぁ、フィニティは知らないよな。マージ・モンドでは年に一回お祭りが開かれるんだ」

「オマツリ?」

「そこからか……」


 山暮らしで人と関わることのなかったフィニティは、一般的な行事についての知識も全く存在しなかった。そんな彼女のためにハジメはお祭りについて説明をし始める。


「へぇー。みんなで集まって騒ぐのがオマツリなんですね!」

「……なーんか説明が曖昧すぎな気もするが、まぁいいかの」


 フィニティが祭りについて理解したところで、話は次へと進むこととなった。

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