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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード6

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EP6-9 - 金髪の美男美女

「たのもー!」


 リーバは中の人間のことなど全く気にしていないかのような様子で、ノックもせずに大きな音を立てて勢いよく生徒会室の扉を開けた。当然、中で作業を行っていた生徒会のメンバーは驚いた眼で突然の訪問者を見つめる。それは作業を行っておらず、恐らく談笑していただろう目的の人物たちも同じだ。


「げっ」

「……何事かな?」


 エリーと生徒会長はテーブルを挟んで向かい合って座っており、その手にはティーカップが握られていた。

 生徒会長はエリーと同じ金色の髪をした美少年であった。目は大きく、鼻筋や口元が整っており、やや中性的であるもののクールな印象を与えるような男だ。同じく容姿が整っているエリーと並んでいると、正に美男美女のカップルがいるように思えてしまう。


「随分と楽しそうじゃのう。生徒会長殿?」

「あんた何しに来たのよ」

「ワシだけじゃないぞよ」

「あたしもいますよ!」

「言わなくても見えてるから」


 リーバに続いて生徒会室に入って来たフィニティとハジメを見て、エリーは頭を抱える。

 なんだって彼女らがこの部屋に来る必要があるのだ。私はただ彼と話す必要があっただけだというのに……。そうエリーは心の中で呟いた。


「それにしても豪華なんですね。生徒会室って」


 部屋に入ったフィニティは率直な感想を口にした。単純に部屋のインテリアが普通の教室とは異なり、優美な印象を与えているということもあるが、それ以前に生徒会室には様々な魔法機器や趣向品が用意されていた。お湯を沸かすための魔法機器や茶葉、お菓子なども用意されている。

 そうして感心の声を上げるフィニティをよそに、リーバはいつもの口調でエリーへと話しかけた。


「フィニティが愛の告白を受けようとする理事長の娘を見たと言ってのー。気になってクラブ活動どころではなかったのじゃよ」

「愛の告白?」

「え、あたしそんなこと言ってませんよ」

「どっちかと言うと言ったのは俺だな」

「あー、はいはい。なんとなくわかったよ」


 つまりはリーバが変な勘ぐりを起こし、また変な行動を起こしたということか。いつものことだ。まさか古代魔法研究会を抜けて行動するとは想像がつかなかったが。


「クラブ活動、ねぇ」


 ことっ、という音を立ててティーカップをテーブルに置いたのは生徒会長だ。彼はその大きな瞳を細めてわざとらしくニッコリ笑うと、その顔をリーバたち古代魔法研究会のメンバーに向ける。真意を汲み取れないその作り笑顔は、見た者の恐怖を誘うような表情だった。

実はEP2-10で生徒会長が名前だけ登場しております。

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