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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード6

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EP6-6 - 記憶への向き合い方

「しかし、古代魔法を研究している機関と言っても幾つもあるんだぞ。その中で彼らを探すだなんてできるのか?」


 誰もが思いつく疑問を口に出したのはセンだ。確かに先ほどリーバが言っていた作戦は理にかなっているだろう。だが、それが現実的であるかどうかは別問題だと言える。


「リーバさん。何か考えがあるんですか?」

「ふっふっふ」


 フィニティからの質問に対し、笑って誤魔化すリーバ。あぁ、きっとこれは特に考えなんてないのだろうな。一同は彼女の様子を見てそう察した。


「なんじゃ。別によいではないか。爺と婆を探す方法について一歩進んだのじゃぞ」


 確かにそうだ。先ほどまではエリーの発想を実現する方法が誰も思いつかなかかった。現実的かどうかはさておき、手段が見つかったことは大きな進展と考えて良いだろう。

 それに、この方法なら時間さえあれば、片っ端から問い合わせをすることでフィニティの祖父母を探すことができるはずだ。とりあえず民間からの問い合わせを受け付けている機関に手紙を送ってみることにしよう。そうセンが提案したことによって、一度この話は終了となった。一人で悩みを抱えていたフィニティも、その悩みを皆に共有したことや解決の道筋が見えたことによって、心なしか体が軽くなったような気がした。


「さてさて。それでは一区切りついたところで、本日の活動に移るとするかのー」

「あ、待ってくれ。フィニティ、君の祖父母の名前を教えてくれないか。問い合わせをするときに必要なんだ」

「あ、はい。えっと」


 これまでフィニティは自分の祖父母のことを『じっちゃん』『ばっちゃん』と呼んでおり、名前については一言も話していなかった。このままでは問い合わせをしたとしても、誰がいるかを聞くことができない。


「じっちゃんの名前はゲシハー、ばっちゃんはサオエルって言います」

「……ん?」

「あれ、どうしたのリーバ」


 フィニティの祖父母の名前を聞き、唯一反応を示したのはリーバだった。


「いや、どこかでその名前を見たような気がしての」

「どこかって?」

「それが思い出せたら苦労はせんよ。……とはいえ、非常に引っかかるのー」


 ゲシハ―にサオエル。孫である彼女の名字を考慮すると、それぞれゲシハ―・フレイン、サオエル・フレインというフルネームとなるだろうか。リーバは改めてその名で記憶を掘り起こしてみるも、やはり思い出すことができない。


「ま、引っかかるということは切っ掛けさえあれば思い出せるじゃろ。それまでは天に身を任せるとしようかの」

「……まぁ、そうするしかないよね」


 リーバが言う通り、今思い出せない物ならば考え込んでも思い出すことは難しいだろう。先ほど終わった話と共に、こちらの話も終わることとなった。

誤字報告をいただきました。気が付きませんでした……。

指摘してくださった方、ありがとうございました!

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