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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード6

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EP6-1 - 夢の内容が気になって

「――ティ」

「――ニティさん」

「おい。――ニティ」

「フィニティさん」

「おい。フィニティ、呼ばれてるぞ」

「……はっ」


 隣の席から声を掛け続けていたハジメの声にようやっと気が付いたフィニティは、改めて今自分が置かれている状況を確かめた。周りを見渡すと自分のことを心配そうに見つめる生徒がいて、目の前に視線を向けると自分のことを呆れたように見つめる教師がいた。そうだ。今自分は授業を受けていたのだ。


「す、すみません。ぼーっとしてました」


 慌てて返事をするフィニティを見て、授業を行っていた特別枠クラスの教師であるフレムーは目を閉じて大きくため息を吐いた。


「貴方の様子を見てればわかります。最近どうしたんですか、以前と比べて授業に集中できていないようですが」

「……えっと」


 フレムーの問いに対して咄嗟に答えることができず、言い淀むフィニティ。それは授業が疎かになっている理由が、自分にとっては大ごとであるものの、他人にとってはしょうもない理由なのではないかと思っていたためだ。


(前に自分が見た夢の内容が気になって集中できないんです。とは言えないよね)

「ちょっと最近寝不足で。すみませんでした」


 フィニティは自分の本音を心の中に隠して嘘の理由をでっち上げる。フレムーは彼女の言い分を聞くと、再び目を閉じてため息を吐いてからフィニティを見つめなおした。


「わかりました。放課後、教員室に来てください」

「あ、は、はい」

「では今の問題を代わりに――」


 フレムーは何事もなかったかのように授業を再開し始めた。そう、授業は進んでいくのだ。フィニティが悩みを抱えている間に。

 

(……やっぱりこのままじゃだめだ。でも、どうすればいいんだろう)

 

 再び自らが抱える悩みについて考え始め、フィニティは必死に自らの脳みそを動かした。そうして気が付けば放課後になっており、勿論その間の授業の内容などは覚えていなかった。

エピソード6です。長さについては未定です。

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