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地球決戦 ースペースマン5-  作者: 本山なお
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ロストラブ④

「敵旗艦からの“疑似ESP波”のパワーが上がっています」クリスが報告する。

「!」

 航行可能な大銀河帝国艦が一斉に<スペースインパルス>に向かって来る。

「体当たりする気か?」

 サライは駆逐艦の突っ込みをかわす。

 その途端、駆逐艦が爆発する。

「!!」

 青龍が笑いながら命じる。「爆破!」

 今度は戦艦が爆発する。

「!!」 「何だ?」

 巻き込まれたトスーゴ艦が誘爆する。最後の一隻、全滅だ。

 <スペースインパルス>の近くの巡洋艦も爆発する。

 バリアーに守られたインパルスだが、第一装甲板にひびが入る。

 次々と大銀河帝国艦隊が自爆していく。

「次元衝撃砲発射!」

 流艦長の命令で第七・八番主砲が火を噴く。緑の光が空間に消えて行く。

 光の束は太陽の近くで再び姿を現す。そのまま旗艦に命中。

 爆発。 

 だが敵艦の特攻と自爆は止まらない。次元衝撃砲は連射ができない。

「ワープミサイル連続発射します」

「うむ。クリス、至急つきとめろ!敵の自爆は旗艦からの機械的コントロールによるものか?各艦の乗組員が行っているのか?シャーロット、敵艦のコンピューターに侵入して対ESPシールドをONできないか?」

 クリスとシャーロットが作業に入る。その間も敵艦の特攻と自爆は続く。

「艦長!」耐えきれずサライが叫ぶ。

 ワープミサイルによる旗艦攻撃は続いているが迎撃されて命中していない。

 流艦長はゆっくりと息を吐き、

「敵旗艦へ主砲連射27連!」

 旗艦を狙える9基の主砲が一斉に左を向く。間髪入れず発射!!

 光は太陽へ向かう。本来なら射程距離外だが重力の追い風で届く計算だ。

 シャーロットが「艦長!敵艦は対ESPシールドそのものが排除されています」

 ブラッドの<フリーダム>と同様だ。   (第4巻第4章参照)

「分析できました。敵艦の艦橋で自爆ボタンが押されています」クリスが報告する。

「自爆装置なんて積んでるのか?」

「ならばESP波を遮断すれば“自殺”を阻止できる。アラン!」

「バリアーアタックを応用した“対ESP波”はまだ最終チェックが済んでいませんが、理論上は使用できます。このシステムは・・」

「説明はいいから早くやれ!」ニコライがせかす。

 アランはバリアーアタックのボタンを押す。

 <スペースインパルス>から四方八方に対ESP波が放射される。

 大銀河帝国巡洋艦艦橋。放心状態の艦長の指が自爆装置に伸びる。

 その指が止まる。

 艦長はそのまま床に倒れる。他の乗組員も気を失う。

 艦隊の特攻と自爆が止まる。

「成功です!」クリスが嬉しそうに言う。

 欠点として対ESPシールドは20秒間使えない。

「友軍機に“対ESP波”のプログラムを送れ」

 流艦長がそう言うのと同時だった。主砲エネルギー弾が敵旗艦に到達する。

 当たらない。旗艦の傍を通過。命中まで時間が掛かったため避けられた。

 掠める衝撃だけで旗艦の動きは止まる。だがESP波は止んでいない。

 流艦長が怒鳴る。

「全速力で奴へ向かえ!」

 サライが操縦桿を傾ける。

 インパルスの巨体が太陽に向く。エンジンが咆哮を上げる。急加速。


 明の乗る輸送機にアラン副長から通信が入る。

『輸送機のパイロット諸君に告げる。敵の“疑似ESP波”の中和に成功した。敵のコントロールを阻止できる。君たちの機体のコンピューターに“対ESP波”のプログラムを送る。威力は弱いがピンガーボタンで照射できる』

「え~と・つまり?」明が尋ねる。

『要は妨害電波だ。敵に操られているシェプーラたちを解放できるはずだ』

 対ESPシールドの弱い<スペースコンドル>では威力が落ちるらしい。

 ピンニョが「受け取りました」

 明は輸送機を北に向ける。不時着した輸送機のもとにシェプーラの大群が集まっていた。

 他の二機の輸送機も近くの陸戦隊降下地点へ向かう。


 ボッケンとシェプーラたちとの距離は迫っていた。

 ボッケンは刀を咥え直す。ゆっくりと歩き出す。

 その視線の先、迫り来るシェプーラの群れ。

 先頭にいるのは王、ボッケンの父親だ。両脇が弟たち。彼らに表情はない。

 ボッケンは次第に走る速度を上げる。

 みるみる距離が縮まる。

 そこに一機の輸送機が高度を下げ飛来して来る。

 明が叫ぶ。

「対ESP波照射!」 

 ピンニョがスイッチを踏む。

「!!!」

 上空を輸送機が飛び去る。

 ドサッ ドサドサッ・・・・

 数千頭のシェプーラたちが次々と倒れていく。

 着陸した敵シャトルのパイロットも気を失っている。

 ボッケンの目線の先、王ひとりが倒れず立ちつくす。

 ぐらり。ゆっくりと王の巨体が崩れる。

「・・助かった」不時着した輸送機のパイロット達が胸をなでおろす。

 ボッケンは無言で刀をしまう。

 

 太陽へ向かう<スペースインパルス>。

 太陽の手前にいる大銀河帝国旗艦。インパルスの10倍以上の巨大な要塞艦だ。 

 インパルスの接近に気付いた青龍が命ずる。

「撃て!撃ち尽くせ!」

 数え切れないビームの束が向かって来る。その中をインパルスは飛ぶ。

 主砲で応戦。

 流艦長が命令する。

「ウィングサーベル展開!」

「レベル1」インパルスの両翼前方から刃が出る。

「レベル2」刃は輝き熱を持つ。

「レベル3」左翼の光がさらに外側へ伸びる。その長さは数㎞に達する。

 旗艦が目前に迫る。

 焦る青龍。

「回避しろ!」

「ぶった切れ!」流が怒鳴る。

 逃れようとする旗艦をインパルスが追う。

「逃がさん!」

 サライは操縦桿を握りしめ、ショックに備える。

 左の光の翼が旗艦に食い込む。

 ズズズズズズズズズズズ・・・・

 旗艦艦橋に光が迫る。

「・・・・・」

 光が青龍を艦橋を包む。

 一刀両断。旗艦は真っ二つに切断される。

 全ての疑似ESP波は止んだ。


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