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●千載 ~ 一遇

「ハイ、では宮廷音楽家協会審査委員会の前日打ち合わせは以上となります。皆さま明日の試験、どうぞよろしくお願い致します。」

やわらかい感じの透き通る審査員長であるスラーの声が、室内を包んだ。

ここ、王都にある宮廷音楽家協会の会議室で、明日の二次試験の最終打ち合わせが、審査員長及び12名の審査員の貴族と共に行われていた。


「いやー、明日受験生たちがどんな演奏をしてくれるか楽しみですね。」

「なかなか、優秀な人材がそろっておりますからな。」

「でも、明日は、チュー殿の派閥の生徒さんが合格する予定ですよね。」

「そうでしたな。まあ、そういう慣例だからしかたない。」

審査員の貴族たちは口々に明日のデキレースについて話し合っていた。


審査員長のスラーはその話には加わらず、一礼をしてすぐに会議室を出た。

彼女、スラーは、現宮廷音楽家協会の審査員長であり、その宮廷音楽家に関することはすべて取り仕切っている。

だが、彼女に悩みがあった。

それは、今の審査方法が貴族同士の慣例のデキレースとなっていることだ。

彼女はそうした慣例のデキレースをどうにか改善したい、と考えていたが、なかなかチャンスがない。

彼女は審査員長ではあるが、改革を起こそうとすれば、決まって今いる貴族たちからの反対が起こる。

人は変化を嫌う生き物であるし、自分の利権を侵害されることを極端に恐れる。

もちろん、今いる貴族の中に、このデキレースのシステムがおかしい、と思っている人間もいるとは聞いているが、改革の声をあげるまでには至っていない。


しかし、今のシステムでは貴族以外の人が宮廷音楽家になる余地がない。

貴重な人材の取りこぼしが起きているし、何よりもフェアではない。

実力があるならば、宮廷音楽家になるチャンスは誰にでも与えられるべきである。

「ふー、どうしたものかしらね。あの娘がそろそろ覚醒してくれてもいいのにねー。」

スラーは、廊下を歩きながら、ため息をついた。

ふと、廊下の窓の外を眺めると、

「あら?あらあらあらあら?」

外を歩いている二人の人物を見つけ、スラーの目が輝きだした。

「これはチャンスだわ♪」

スラーは足取り軽く、小走りで、その人物たちに会いに、外にでた。


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