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真実から見る世界日記  作者: 不明
4/5

3. お泊り



 その日の夜。

 約束通り19時に案内所に向かうと、案内所の扉の前で少女は待っていた。



「やっほー!朝ぶりだね!」

「ふふ、そうですね」



 こんな風に軽い挨拶をして、二人並んで家の方に向かう。

 といっても案内所のお隣さんなので、そもそも歩くと言える距離ではない。

 案内所から10歩程度で我が家に到着。



「着いたよー!」

「着きましたね」

「でも失敗したなぁ。昨日私の家に来てくれてた訳だし、家を集合場所にしておくべきだった…」

「大丈夫ですよ。私は案内所の店長さんとお話があったので」

「店長と?どんな話だったの?」

「街の外の話です」



 どうやら流石に朝少し話しただけでは、店長は全然足りなかったらしい。少女は多分、また話にきます、とか言って場を収めたんだろう。賢い。

 そして二人で家を眺める。



「では、改めまして…私の家にようこそ!」

「お邪魔します」

「どうぞどうぞー!」












家に入ると、母が笑顔で迎えてくれた。


「いらっしゃいー、ようこそー。夕飯はもう食べたー?」

「いえ、まだです」

「そっかー、それは良かったー。よければ一緒に食べないー?」

「いいんですか?」

「大丈夫よー、ささ、どうぞー」



 母の呑気な声を聞いて二人でリビングに入る。

机には私が作った料理がズラっと並んでいる。いるのだが…少し量が減っている気がする。

 


「……食べた?」

「んー?食べたけどー?」

「………そっか………」



 確信犯は堂々としていた。



 それはさて置き、椅子に3人で座る。

 全員座ったのを確認して手を合わせる。



「それでは、いただきます!」

「いただきます」

「いただきますー」




 もぐもぐもぐもぐと、母は食べていく。一番よく食べるので、ご飯の量もかなり多い。私と少女は普通ぐらい。

 チラッと少女の方を見ると、無表情で食べていた。もしかしたら私の料理、失敗したのかもしれない。



「もしかして……美味しくなかった?」

「いえ、そんな事は。ただ、私はいつも味付けが濃い方なので…物足りない感があるんです」



 割とハッキリ言われた。

そう言えば、昨日も晩ご飯は無表情で食べてたなぁ。

んでその後……



「という事で今日もこれ、かけさせてください」



 出た、謎の粉。

 昨日いきなり食材にかけ始めた時にはびっくりした。少し舐めさせて貰ったが、どんな味だったか覚えてない。一つ言えるのは、粉、めっちゃ危険。命危ない。

 少女がさっさと粉をかけてるのを見て、母が目を輝かせて言う。



「あらー、その粉、美味しそうー、

 舐めさせて貰ってもいいー?」

「それはダメーーー!!!」





 ー数十分後ー




「ごちそうさまでしたー」

「ごちそうさまでした」

「はぁ、はぁ、ごちそうさまでした…」


 母を止めるのにこんなに疲れてしまった。

 本当にマイペース過ぎる…。


 食器を洗いながら、そんな事を考える。

 隣には、手伝いを買って出てくれた少女が食器を拭いていた。

 

「そういえば、今日はお父様と弟さんはいらっしゃらないんですね?」

「ああ、たまに二人で外に食べにいくんだよ。何でも部活を効率よく続ける為にはがっつり食べる事だ!

みたいな感じでお父さんがたまに弟を連れ出すんだよね」

「家で用意したのは、食べないんですか?」

「家で食べるとお母さんにほぼ食べられちゃうからなぁ。育ち盛りの弟には中々きついみたい」

「そういえば、お母様が八割ぐらい食べていましたね…」

「よく食べるんだよー、本当に。どんだけ作っても八割食べられるんだよね…」

「お父様は?」

「お父さんは私と同じく普通くらいかな?」

「そうですか」



 みたいな会話をした。

 


 リビングにある大きなソファには、母が寝ていた。

物音がかなりするはずのだが、一切起きる様子はない。

 家にはベッドが4つしかない為、必然的に誰かがソファに寝る事になったのだが、至っての希望でソファに寝る人は、母にあっさり決まった。

 珍しく母がマイペースを崩すとは、少女の事がよっぽど気に入ったのだろう。

 割ときちんと寝床を整えると、


「じゃあ二人とも、おやすみなさいー」


 と言って寝た。



 


 母は物凄く早く寝たが、私たちもこれから特にする事はない。

 皿を片付けて、のんびり二人で話した後、お風呂に入った。

 そして後は寝るだけだ。

 二つのベットに入って、少しだけ話す。




「なんだかんだであっという間だったね」

「はい、すごく楽しかったです」

「ね……」




 そうしてしばらくの間、黙ったまま天井を見上げた。

 振り返ってみると、今日は一段と濃い一日だったと思う。大変な事もあったがかなり楽しかった。



「……さて、そろそろ寝よっか!」

「そうですね」

「おやすみなさい!」

「おやすみなさい」




 こうして二人でぐっすりと眠ったのだった。

 













 ーーそして、"真実"の一日が訪れるーー







 



文字数少なくてごめんなさい

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