1.
母さんや父さんと一緒に豪勢なディナーを食べた際に集められた情報を元に自分でまとめてみた。
今の俺の名前はマルス•シューノルド。
王国でも屈指の貴族のシューノルド家の長男で、わんぱくやんちゃな小僧だったらしい。
実際に庭に生えている木に登り、そのまま転落して意識を無くした重体だった。
それをひょんなことから意識を奪い取ってしまったわけだけど...。
考察するにあたって、マルス君はこの世を去っていたのかもしれない。そこになんの因果か俺の魂が入り込み、蘇生されたのかもしれない。まだ、仮説だからなんとも言えないけれど。
この世界は所望、剣と魔法のファンタジーの世界であり、外には魔物がうじゃうじゃと生息しているらしい。ゴブリンやらオークやら、魔王も存在しているとのこと。
「魔王ねぇ...。」
一概に魔王と言っても様々な種類の魔王がいたらしい。
他の種族を滅ぼそうとするモノ、共存関係を目指すモノ。又は不干渉であり、魔界を統治し国のことは国の中で完結させようとしたモノ。
今、現在の魔王はどちらかと言えば他の種族を滅ぼそうとするモノらしい。寄っているだけであり、そこまで好戦的ではないが他種族にとっては脅威でしかない。
日に日に魔物たちは力をあげており、俺たちも力をあげていかなければならない状況らしい。
「...やることは決まったなぁ。」
よくある転生ものと一緒だ。魔力容量などがあるのであればそれを増やしていき、魔法を使えるようにする。
可能であれば父さんに剣術を習い、自分の物にしていく。
小説で何度も見てた。色んなやり方を試して強くなるしかない。
弱ければ魔物に殺されてしまうだけだ。せっかく転生したんだ。強くならなければ楽しくない。
「さぁ、やるぞ。」
一種の覚悟を持ち、俺は今日から修練を積み始めた。