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君と僕の捕縛世界  作者: 宝来來
試練編
44/78

空回り

 エノク=シン。


 140年前、禁忌魔法を犯す国家反逆罪での逮捕。『智天使』ウリエル=アラトロンにより指名手配され捕獲、その後<神牢>の中央の大塔【霊荘園】の牢獄に投獄されていた。『熾天使』ラファエル=オフィエルの審判て死刑が決定し、火炙りの刑により断罪される。


「様々な上級天使が関わってるんですね」


「それはそうです。上級天使に神より与えられる役職がありますので」


 カシエルとそう話したした記憶がある。カマエルはそれに関する資料を探してくれていた。姉なのに立場逆なんだなと思いながらおとなしく聞く。ファトは他の本に興味を移しダラダラとしていた。


「詳細としては東の<紀華>、機械仕掛けの工場で『エノク』はその研究をしていました。研究内容は禁忌魔法となるのですがあくむぐぅっ!ん!んーんー、んれれすか??!」


 肝心の内容のところに水を指したのはガブリエルさんだった。カシエルの口を塞ぎ、笑顔で登場。


「呼ばれてないけどガブリエルさんの登場っす!ラグっち、授業バックレてて何をしてたんっすか?」


「…………考え事ですよ。別にポイントは今のうちは必要ないのと、飛行に関しては苦手分野なので」


「素直ですか」


「そこがラグエル君のいいところ!」


 いつの間にか2冊の本を持ったカマエルが帰ってきていた。ちゃっかり、カシエルの隣をキープ。


 無駄だと思いながらもとりあえず言っておいた。言い訳っぽいが………追求されたくねぇ。本当にただのサボりだからな。怒られるかなと思いながら体を身構えた。が、そんな心配は余計だった。


「ーーーーーーアハハハハッ!!ラグっち素直っすねぇ!自分もサボりは良くするので言えないんすけど、言い訳もしないで本当にサボりだなんてっ!はぁっ、ははははっ!ひーひー、!」


 キョトンとした顔のあとたちまち大爆笑。


 広い禁書庫にガブリエルさんの美声がどっと響いた。しかもめちゃくちゃ大爆笑。どちらかというと僕や双子のほうがあっけにとられて唖然としていた。数十秒後、深呼吸を何度かしてようやく笑い終えた。


「別に怒らないっすよ、自分もバックレること多いっすから」


「ガブさん五月蝿いのです。禁書庫ではお静かにするのです。それと後輩に自信満々に言うことではないのです。真面目にしてください。それでは私は失礼しますなのです」


 すごい早口でガブリエルさんの頭を分厚い古書で殴り、去っていった桃色のゆるふわみつあみをした小柄な少女。

 くせっ毛の一部のアホ毛が歩くたびにピコピコ動き愛らしい。一瞬だが紅い眼鏡をしていたのも見えた。


 誰だろう?僕と同じくらいの背丈だな………しかもガブリエルさんに対してあの態度となると上級天使。もしかして……


「痛いっす………その分厚い本で暴力するのやめてほしいって言ったっすよね?!酷いっすよ、ウリっち……」


 頭を痛そうに抑えその場で悶えるガブリエルさんにカシエルが淡々と質問した。先程の驚きはどこかへ消えたようだった。


「あの方って……もしかしてウリエル=アラトロン様ですか?」


「もしかしなくてもそうっす。……………大正解!!ここの禁書庫の管理人っす。そして自分の大親友っす!」


 痛みを我慢し涙目になりながら空元気でピースを作り必死なガブリエルさん。

 対してウリエルさんは平然としていて、自分の何倍もの高さの本棚の前に立ち、本を整理しているようだった。


 お得意の結界魔法を使い階段状にし応用していた。しかも見かけによらず力持ちらしい。先程の似たような古書を十冊くらい重ねて平気で持っていた。


「………………」


無反応なウリエルさんにガブリエルさんはそのテンションのまま、僕たちに投げかけた。


「ところでさっきの一つ訂正があるっす」


「訂正?」


「エノク=シンに携わった天使についてっすね」


 そう言うと、カマエルが持ってきた一冊の本を開き、テーブルのおいて見せた。開いたページにはエノク=シンの断罪までの経路が丁寧に書かれていた。


「まずウリっちが異常な魔力を検知して、ラフっちの部下が調査にいったんっす


「<紀華>には工場を囲む白天楼が植え付けられてるんすっけどそれが全部真っ黒に染まっていたと言われてます


 カシエルが補足してくれたので予想がしやすかった。不純なものが工場で製造されていて漏れた、というのが妥当なのか……?もしくは悪魔の侵入……はありえないが一概に0とも言えないからな……


「カシっちの言う通りらそれが判明して、詳しい調査をし、反逆罪と決定して責任者であるエノクを逮捕したっす。ここでラフっちが審判したっすね」


 ラフっちとはおそらく、ラファエル=オフィエルであろう。


「それで、ミカっちが火炙りの刑で断罪したという流れっす」


 経路を指差して説明していたけど意味があったのかは不明。だが、こうなると本当に携わった天使が多い。先程の役職とやらと関係があるのだろうか?聞いてみよう。


「………………やはり上級天使にも役職はあるんですよね?この話で3人の天使の役職は予想できますが、ガブリエルさんの役職ってなんなんですか?」


 笑顔はそのままだが一瞬方を震わせ硬直したように見えた。ロボットみたいに片言になったガブリエルさんは人差し指をたてて目を右往左往しながら言った。


「それはっすね……………可愛い担当?」


「死ねばいいなのです」


「うごっ」


本の整理をしていたウリエルさんが魔力で形成した岩粒を遠隔魔法で移動させ脳天に落とした。


「…………嘘ついたんですか?」


「だっ、大丈夫だよ先生!先生かわいいし!嘘じゃないっ、と思います!」


 残念な先生、蔑む妹、励ます姉。絵面やべー。


「本当はどうなんですか、ガブリエルさん?」

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