似たものどうし?
「…………………いやびっくりしただけだから、こっちこそごめん。考え事してたから、つい反射的に警戒心が緩んでたせいか過激に自己防衛してたかも」
不覚だ。周囲の警戒にさくのを忘れていた。考え事は良くないな気をつけよう。僕は魔法を解除して双子と向き合った。
「ラグエル君のそうゆうところボクは尊敬してるから全然大丈夫!いつも敵愾心むき出しで、無表情で淡々としててクールだし…………好きだよ!」
もじもじとして両指を絡めて照れくさそうに笑うカマエル。
「褒めてるのかよくわからない褒め方だよ」
「ほとんどのがおぬしのコンプレックスじゃな」
ジト目でカマエルに目線を向ける僕に、興味がないのか適当な受け答えをするファト。にしても的をついているが………
「お兄ちゃん…………ストーカーは良くないと言いました」
「ううっ………それは本当にごめんなさい………」
なんだか立場が逆転してるみたいだ。仲睦まじくて結構。念押しで引きづるカシエルの方は淡々としていて感情を時折出す感じが僕と似ているが、僕の場合はレミエルやザドキエルの前のみだ。警戒心が緩むとうっかり出てしまうが……。
特にカシエルは極端だと思った。姉であるカマエルに対し笑みを頻繁に見かける。ザドキエルの証言もあってのこと。
微笑ましげにぽけーっとやり取りを見守っていると、しゅんと落ち込むカマエルをおきカシエルが興味津々に聞いてきた(相変わらず声は淡々としているけど)。
「そういえば、さっき『エノク』という名前を言いましたか?」
「そうだけど…………………もしかして知ってるの?」
「知ってますよ、誰もが知る有名な大罪人です」
大罪人………?誰もが知るって言われたって知らないぞ?疑問符を浮かべる僕にカシエルは言いながら僕へと一歩一歩と近づいた。
「『エノク=シン』罪名は140年前、ある研究施設で禁忌魔法研究をした反逆罪………聞いたことありませんか?」
「知らない…………」
刹那、頭痛が走った。思い出そうとして、頭痛が起きて……………こういったケースは何度も経験がある。そう、思い出したくないことを思い出す時。本物の記憶を掘り起こそうとする時だ。
本物の記憶には大きく『エノク』が関わっていることが多いと思う。いつもそうだから。
「そうなんだ………ラグエル君知らないんだね。へぇ、そうなんだ………珍しい!」
何故か嬉しそうなカマエルは立ち直ったようで、先程までのことがなかったかのように振る舞っていた。
「なんで嬉しそうなんですかお兄ちゃん」
「だって頭良さそうなイメージだったから、ボクなんだか嬉しくて……教えてあげよっか?ボクが!」
本当に目をキラキラさせてみてくるな………眩しいし……。
「そうゆうお兄ちゃんも詳しくは知らないでしょう?私のほうがまだ知っています」
「うっ………そうだけど、ボクが教えたい!」
いやまず、僕教えてなんて一言も言ってないけど…………少しばかり興味はあるからな……流れに身を任せるか……。
「それでは場所を移動しましょう。立ち話もなんですしね。禁書庫にいきましょうか」




