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君と僕の捕縛世界  作者: 宝来來
試練編
40/78

『エノク』という存在

 それから僕はレミエル、ザドキエルとすれ違わぬように寮へと急いだ。その際行きよりえらく時間がかかったが(迷子なんかじゃない)気のせいだ。

 その合間にファトと会話を交わした。一応生徒もちらほらいるので意識を共有させて、だ。


「で、なにしてたんだファト」


「ちょっと探索しておっただけじゃ。お主の宝物も見かけたのじゃが、それ以上に興味深いことがあっての」


 自慢げに口達者なファトに疑いの目を向ける僕。だいたい僕が苦しんでる間に呑気に探索してやがったことに怒りを覚えている。余程のことじゃなければ、殴ってやりたい。


「物騒じゃの、主人は。安心せい、わしが動くのは全ては主人の為じゃからな。なんてったって、忠実な悪魔じゃからな」


 胸をそらし、何故か自信満々。


「なんとな………………あー、うむぅ……………………………………………やっぱ言わぬのじゃ」


 はじめは喜々としていたが、腕を組み本格的に悩んだ末にやめてしまった。こいつ本当はないんじゃないか?


「違うのじゃ。ただ、わしからいうのもあれじゃしの。わしが見たものはきっとお主が絶対に思ってなさそうな、わしから伝えるには眩しすぎる、綺麗すぎるものじゃからやめておくかの」


 なんだよそれ……


「まあ安心するがいい。相応しき、時がくればいずれも話すのじゃ。それともう一つあるので期待してほしいのじゃ」


 もう一つ?1つ目のがああだったからなかなか信用できないが聞いてみようじゃないか。


「学園内を散開中に男児と令嬢だったかの?かの二人が変なところにおっての」


 男児はサリエル、令嬢とはジョフィエルのことか?影響されてるのは僕だけど、令嬢ってのは完璧なファトだけが使う名称だろうな。


 で、変なところってどこだ?


「主よ地図は持っとるか?」


 持ってるが………使うのか?ポケットからファトへと渡す。ファトが「ここらへんじゃ」と指差した場所は学園の北端にある研究所。今でも使われている魔法兵器研究所である。今年の入学者の叡智あるもの計百名がそこに配属され、研究に勤しんでいるらしい。が、なぜそこにサリエルとジョフィエルが……?


「朝と昼、お主が令嬢と約束を交わしたじゃろ?『エノク』に会ってみないかというやつじゃ。主の記憶から探るに、そやつは研究者と見られるな」


 どこまでこいつは記憶を覗き見てんだか…………けど言い得ている。『エノク』は確かに成功作や失敗作、番号と愛称と言うキーワードを履いている。


「もしかしたら、『エノク』はそこにおるかもしれぬぞ?」


 いや、まさか………………でも完全に否定はできない。


 だって僕は『エノク』という人物を記憶でしか知らない。でも僕の記憶は偽物で本物はかすかにしかわからない。それが表すのは記憶の中の『エノク』は偽物かもしれないという可能性だ。そもそも、そもそもだ。


「『エノク』はそもそも存在するのだろうか?」


 ぽろりと落ちた純粋な疑問。知ろうともわかろうともしなかった存在に興味を持ってしまった。というよりは、サリエルやジョフィエルが何者なのかという方が気になるのかも。 


 急ぎ足を止め立ち止まり右手を唇に当て考える大勢になる。すると、ガタンと背後でモノを落とす音と2つの気配がした。


 反射的に陰影魔法『影踏鬼』を発動させ、2つの気配へと死を近づけた。2体の漆黒の鬼は首元で鋭利な爪を二人に向け、寸止めにしていた。


「……………ご、ごめんなさいラグエル君」


「ほら、言ったこっちゃないじゃないですか」


 そこには両手を上げて降伏状態で、真っ青になり謝る双子の姉(お兄ちゃん)とやっぱりと納得したように呆れる妹の双子がいた。

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