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君と僕の捕縛世界  作者: 宝来來
試練編
25/78

余興

 僕のクラスの教室は礼拝堂の右隣の白のレンガでできた広い空間にあった。教卓を背に黒板があり、五十人程が座り使える椅子と机があった。

 席は自由性なようで、僕は窓際の扉側の一番奥へと腰を下ろす。すると近づいてくる気配が2つ。


「よお、初登校遅刻問題児!」


「朝からその間抜け面で歩いてたの?誰かにぶつかったりしなかった?それともぶつかったのは壁?」


学園初登校そうそうツッコミどころのある挨拶をかますのは、宝物と称したザドキエルとレミエルだ。宝物と称したが、一時期の気の迷いか‥‥‥‥‥‥‥いや、大切なのはまあ変わりない。


「……………僕が何したってんだ」


「そりゃ授業に二時間遅刻したからだ。よくそんなサボれたな。一時間目は遅刻だぜ」


「僕が遅刻……?」


僕はちゃんと登校時間に間に合うように寮を出たのはいいものの、複雑な校舎構図に迷子になりフラフラしていたのは確かだけども、そんなに時間立ってたか?


それも、ジョフィエルからの誘いに悩んでいたのもあるのかもしれない。


「それでも遅刻とはなんにも言われなかった……」


「ガブリエル=シルヴェ様はそういったこと言わないのよ。あの人も仕事サボりがちだし」


おいガブリエルさん仕事してください………。



「わっぷち!むむっ、誰かが自分を噂してるっぽいっすよ、ウリっち!」

「それ、きっと悪口………それより、もうすぐ、授業……」

当の本人はというと、禁書庫の司書ウリエルとともにいた。事務作業の書類整理をサボって。



「それでどうしたよ、ラグエル。また抱え込んでんの?」


「俺達にできることはあるか?言ってみ言ってみ」


レミエルは僕の席の隣に、ザドキエルが僕の席の前に座る。顔を覗き込んでくる二人になんだか照れくさくてつい顔をそらしてしまう。いつものように笑顔で、優しい声音で聞いてくるのだ。


「今回も、僕が自分の力で解決するべきことだと思うから言わないよ。心配してくれてありがとう。本当に困ったときは言うから」


「言わないからこうして聞いてんだろうが」


「言わないなら拷問するわよ?」


おいザドキエル。お前、思い出したくないなら思い出さなくてもいいとか言ってただろ……それと同じだから絶対に言わない。レミエルも、拷問とか天使が言っていい言葉じゃないからやめて。本気だったらなおさら怖い。


「だから言わない、絶対に」


頑なに拒む僕に二人はしつこく聞いてくる。


 ザドキエルが「ほぉら、お前の好きなエッチな本だぞ…これやるから話せ」とか意味不明なことをほざくわ(そんなもん持ってくるなよ)。


 レミエルは「静電気を食らわせてやるわ」とかいって下敷きで髪の毛を擦るわ(絶対静電気じゃなくなる)。助けてくれと内心で助けを求める。


「はいはーい、そこまでっす」


ザドキエルの持ってるエロ本とレミエルの持ってる下敷きが紫根のツインテールと行進服が特徴な少女により取り上げられる。


「ガブリエル、さん………助かりました」


「いいっすいいっす。これも先生としての役目っすっから」


 無邪気な笑顔を浮かべ、僕はそれを丁寧なお辞儀で返す。何を思ったのか、ガブリエルさんがエッチな本をパラパラと見たのだ。


 しかもザドキエルが持ってきていたのは見出しに小さな体躯とほのかに膨らむ胸!ようこそ幼女の楽園へ!と書かれていた。


「これは……………どちらの趣味っすか?」


「ザドキエルのです」「ラグのだぞ」


絶対こいつ自分用に買っただろ。カマエル=ファレグとかいう貧乳に惚れてたとか言ってたし。僕の身近な幼女は悪魔のファトになるが、恋心などやましいことは思ってない!断じて、だ。


「ふぅん………ふぅん…………ラグっちこうゆう趣味なんすね」


「なぜ僕なんですか………明らかにザドキエルのです…………。こいつ、カマエル=ファレグに惚れてたんですよ」


「誤魔化さなくっていいっすよ?人の趣味は多様っすから」


どうして頑なに信じようとしない。絶対悪乗りしてるだろ。この二人の組み合わせは苦手だ。


「はてさて、授業始めるっすよー!」


「俺の……………ラグのエロ本返してくれないんですか?」


「もちろん没収っす」


 すごい笑顔で威圧され、ザドキエルは体を硬直され黙る。誤解は溶けて、悪ノリもやめてくれて助かった。ガブリエルさんは教卓へと鼻歌を歌いながら移動する。紫根のツインテールがぴょこぴょことはねていた。


授業に集中すべく、深呼吸する。すると、右腕にぬくもりがあることにようやく気づいた。レミエルがからみつくように腕に抱きついてきたのだ。


「……………………なら、私もその幼女枠に入るのかしら」


レミエルは自身の胸元を悲しげに見る。演技感駄々漏れ、明らかにこちらも悪乗りしてる…………。


「入らないよ。心の中でだけロリっ子って思ってるから大丈夫」


「思ってんじゃないわよ!」


頬を硬直し、真っ赤にして怒るレミエルは僕の足のスネを容赦なく蹴る。骨に地味に痛み、主まず足を抱えてうずくまった僕であった。


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