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魔王、人間に転生するⅡ
まさか、転生できるとは。
本来なら絶対にしないことだけど、まあ今くらいは神様に感謝しましょうか。
「おっ、笑ったぞフィリア」
「まるで天使のようね」
残念ながら元魔王です、新しいお父様、お母様。
まあ生まれたてなので声にはならないのだけど。
さて、今回の転生、両親の身なりを見るに貴族と見るべきかしらね。
どこの国の貴族で、爵位はなんなのか。
うーん、いや、今はそんな事考えても仕方ないわね、まともに動けやしないのだし。
人間の成長速度だと、しばらく何も出来ない訳だけど、それでも良いわ。
私はもう魔王ではないのだし、ゆっくりのんびり人間としての生を満喫させて貰いましょう。
ああ、私にとっては初めての事だわ、のんびり惰眠を貪るなんて。
そんな事を考えている内に眠気が幼い私を襲い、それに抵抗する事なく、私は目を閉じた。