その3 『出会い』
「終点、レイヴィート。終点、レイヴィート――」
到着のアナウンスが流れた。
幸いあれから、兵士がやってくることはなかった。そのことに安堵しながらも、少女はもぞもぞと体をほぐし始める。悠長に終点を待つつもりは少女にはない。駅のホームで囲まれてしまったら、逃げることは容易ではないと知っていた。だから、それまでに下りてしまうつもりなのだ。
固まった身体が満足に動くようになると、窓へと視線をやる。
真っ青な空を、小石ほどにみえる島が散らばって浮かんでいる。飛行石の恩恵により浮かんだ島。今、少女が乗っている汽車のあるこの大地も、飛行石のおかげで浮いているにすぎない。そう、飛行石さえあれば、その効力が続くまで、大地もそして人も浮かんでいられるのだ。
鞄から取り出したのは、石の欠片だ。
少女の片手に収まるほどの小さなものだったが、空色に澄んだ欠片はいまにも飛び立ってしまいそうである。
少女はそれを握りしめると、立ち上がって窓に近寄る。覗いた光景に、息を呑んだ。
いつしか白銀の世界は終わりを告げ、そこには別世界が広がっている。まず視界の半分ほどを占めたのは白い壁だ。その隙間から優しい日差しを受けて雪山の代わりに草原が顔を覗かせる。
一瞬、少女の乗っていた汽車が建物の陰に隠れた。
何事かと思い後方を見やった少女は声を失う。草原に食い込むようにして聳えている建造物がさながらトンネルのように汽車に道を開けていた。それがまだ塔や城などであれば少女も驚きはしなかった。だがその建造物はどうみても歯車の形をしていた。都市のモニュメントにしてはあまりにも異様だ。しかも、それはまるでどこかから弾き飛ばされてきたかのように、地面に対して半分ほどが斜めに埋まっている。
あれは一体何だろう。
そう疑問に思うものの、幾ら考えても答えは出てこない。唯一分かったことといえば、よく見れば歯車に苔が生えていたということぐらいだ。古いものなのだと気づいた少女は、気にはなったがそれ以上考えないことにした。今の少女に関係のあるものではないと判断したからだ。
歯車が小さくなるにつれ草原の景色も終わりを告げ、とうとう都市へと入り込む。短いトンネルを抜けると、赤い屋根の建物が顔を覗かせ始めた。少し待てば、次から次へと数えきれない数の赤い屋根が流れていく。大都市というだけあって建物の数が多かった。
やがて、汽車は向きを変えた。家々の代わりに、巨大な飛行石が壁上から顔を覗かせるようになる。先ほどの歯車ほどはある巨大な石だ。それは、日差しを一身に浴びて空色を満たしている。日の光は、引き金なのだ。
汽車は飛行石の周りをぐるりと一周するつもりらしいことがわかると、少女は窓から身を引いた。車内をぐるりと見回して、他に窓がないか確認する。木箱が無数に積み上げられた車内は、思いのほか広い。自身がいた場所とは対極の場所にも窓があることに気づくと、すぐに駆け付けた。窓を開け、そこからの景色を覗く。
反対側の景色は、家で溢れていた。家々の先には港が見える。日よけが幾つか並んでいるその先に停泊した飛行船がみえるので間違いないだろう。港の先にあるものは、空だ。少女の視力であればかろうじて、飛行船が砕けた飛行岩――飛行石が埋め込まれているために空を漂流している岩――、の間を縫って飛び交う光景を見ることができた。この都市は、飛行石を中心にまるで波紋のように広がっているのだと頭の中で地図を描く。都市を出ようと思ったら、港を目指し飛行船に乗り込むべきだろう。
少女は再び手前を見やる。線路と家々の間に築かれているのは、頑丈な壁だ。あの壁を乗り越えなければ、線路に取り残されることは明白だった。窓から顔を出し、周囲に兵士がいないことを確認する。到着のアナウンスから少し時間が経ってしまっていた。躊躇している時間は残されていないはずだと考え、すぐに窓へと足をかける。そうして乗り出そうとした目の前で、景色がぐらぐらと揺れた。どう考えても、普通の人間ならば飛び越えることのできない高さである。少女の気持ちを代弁するように、線路と壁の間で風がごうごうと唸り声を上げている。
そのとき、到着を伝える合図であろう。汽笛が鳴り響いた。
異能者の力と飛行石があれば話は別だと自身に言い聞かせ、汽車から一気に飛び降りる。握りしめた欠片を精一杯空へと掲げた。一瞬、飛ばされそうになるほどの強風を感じる。視界が空から壁、そして線路へと移り変わるのが想像以上に早かった。視界いっぱいに広がる線路を前にして、もはや、間に合うことを望むしかない。
日差しを浴びて、飛行石が力を解放する。
激突寸前のところで、少女の体はふわりと浮いた。助かったと思う暇もなく、体はそのまま上空へと浮かんでいきそうになる。慣れない動作で体の安定を図り、手をばたつかせながらどうにか壁まで辿り着く。兵士に見られていたら恰好の的だったことだろうが、幸いにも射撃はこなかった。壁まで辿り着いたらこちらのものだ。足でその壁を蹴るようにして壁の上まで登りきる。体をくの字に曲げ、家々が立ち並ぶ中へと向かったところで、急にかくっと体が重くなった。欠片の効力がきれたのだ。
前のめりになりながら壁から落下する。着地のできそうな赤い屋根が前方に見えたと思う間もなく、通り過ぎた。辛うじて着地の姿勢をとったところで、地面が少女を迎える。
鈍い衝撃音が響いた。
痛みに顔を顰めつつも、立ち上がる。幸運にも受け身のおかげか、骨はどこも折れてはいないことを確認する。そこで、手に持ったままだった欠片に気が付いた。
飛行石の欠片は光を失ったように黒ずんでいる。
「さて、と……」
周囲を見回して誰もいないことを確認すると、気持ちを切り替えるように、少女は呟いた。
ここまでは無事に着いたものの、状況はあまり喜ばしくはなかった。何よりここはレイヴィート、イクシウスといわれるこの国の中で最も大きな都市である。当然、警備も厳しいはずだ。しかもすでに汽車の中で存在に気づかれてしまっていた。
だが、生き残るためには、進むしかない。ここにいては捕まってしまうのだから、なんとしても安全なところへ行かなくてはならない。
安全なところというのが具体的にどこなのかもわからないままに、そう改めて決心する。気を引き締めた後は、もう一度、あたりを見回した。
人気はなかった。どの家も、窓が厳重に閉じられている。見ただけではわからないが、扉にも鍵がかけられているのだろう。そのせいで大都市にあるべき活気が全く感じられない。間違いなく、異能者の存在が都市に広がっているのだ。そうでなければこの光景は説明がつかない。
一歩踏み出そうとしたとき、銃声が轟いた。
辺りを再三見回す。しかし少女を捕まえに来るはずの兵士の姿はなかった。代わりに、立て続けに銃声が鳴り響き、数十人の足音が響く。しかもとても近くだ。
ただし、少女に向かってではない。
「私以外にも、追われている人間がいるということ?」
好都合だと、そのときの少女は思った。誰だか知らないが、兵士をひきつけてくれるのだから、助かる。今のうちにと、歩きだした。
着地地点は路地の一角だったおかげで助かった。隠れるところが山ほどある。
家の塀に身を隠しながら、次に見えた家まで進む。到達した家は先ほどの家より一回り大きい。庭が誘うように少女を見るが、入ることはしないでおいた。下手に入って家の中にいるかもしれない住民に通報されても困るという判断だ。
そこで、塀の外をぐるりと回って次の家の影へと近づく。
次の家は小さいが二階建てのようだ。正面玄関に青い鳥の絵が描かれたウェルカムボードが掲げられている。その玄関扉が突然、開いた。この場の空気に相応しくない可愛らしいドアベルの音が響く。
「おい!」
その音と同時に出てきたのは、あろうことか兵士だった。
少女は全く予想もしていない登場の仕方に思わず逃げそうになった。その寸前で踏みとどまる。常に逃げることが正しいとは限らないからだ。この大都市で仲間に通報されてしまったら、逃げ切るのは至難の業だった。
すぐに、兵士の手元を確認する。そこで違和感に気付いた。
兵士は確かに銃を所持していたが、銃口は下ろしていた。当然、指先は引き金にあてられてはいない。そのうえ、一人のようだ。ゆっくりと近づいてくる。
「民間人が何をしている。避難命令がでているだろう!」
全く予想もしていないことを言われ面食らっている少女に、兵士は構わず続ける。
「龍族がでたとの通達があっただろう、聞いていないのか」
「龍族?」
「奴らはとうに絶滅したといわれていたしな。信じられないのも無理はないが、これは誤報などではない」
恐らくさきほどまでの銃声から逃げている人物が、龍族なのだろう。そして、この兵士は龍族を待ち伏せするために民家に潜入していたのだろうと推測する。ひょっとすると、少女を民間人だと考え、驚いて出てきただけかもしれない。
「ほら、ただちに避難するんだ!」
そのとき、兵士の腰に、点滅する石がぶらさがっていることに気付いた。光を失ったと思ったら、また光り、そして失う……、を繰り返している。
間の悪いことに、その視線に気付いた兵士が自身の腰へと目を落とす。
「『反応石』が反応……? まさか、この近くに……」
ここまでだと、少女は断念した。
「ねぇ」
少女の声音に何かを感じた兵士が、顔を上げる。
「異能者と龍族って、どちらが危険だと思う?」
兜で表情は見えないが、兵士は怪訝な顔をしているに違いない。癖なのだろう。何か考えるように、右手を顎の下へと添える。
「何だと? お前は……」
そして、とうとう言葉の意図に気付いたようだった。慌てて右手を顎から下ろし銃を構えようとしながらも、その驚きを口にする。
「異能者か!」
「御名答っ」
反撃する暇は与えなかった。銃で狙いを定めようとする兵士の腕をいち早く掴み、手前にずんと引く。前によろめく兵士を蹴りつけて、塀へと突き飛ばした。
激突音が響いた。
頭部を激しく打った兵士はもう動かない。
だが、そのときの音が災いとなった。
「なんだ、今の音は」
「まさか、龍族が」
通路の先で控えていたらしい兵士たちがわっと出てきたのだ。厄介なことに、すぐ近くの民家から飛び出てくる者までいた。
そもそも龍族がレイヴィートにいなければ、兵士の数がこうも増えることはなかっただろう。それほどに兵士の人数は尋常ではない。さきほどまでの自身の考えがどれほど甘かったか気付くと同時に、どこかで逃走を続けているだろうその人物に、少女は恨み言を吐きたくなった。
「反応石が反応しているぞ! 捕まえろ!」
状況は一気に悪化した。
銃を構えた兵士たちを背に、少女は駆け出した。足に意識を集中させると、目にもとまらぬ速さで兵士たちの射程から外れていく。背中越しに銃声を聞いた。
すぐに目の前に壁が見えてくる。行き止まりではなく、T字型の通路だ。行くならば当然兵士の少ないほうだが、先ほどの龍族を追っていた兵士の銃声が、右か左のどちら側で聞こえていたかは判断がつかなかった。
悩むうちに、壁が迫ってくる。
考えた末、少女は、左に曲がった。龍族を追う兵士のことはひとまず棚上げし、本来の目的地でもある港のある方角を目指した結果だ。
曲がった先に、兵士が一人待ち構えていた。騒ぎを聞きつけたばかりなのだろう、兜越しだが驚きで動きが鈍っているのが分かった。しかし、その手は引き金にあてられている。
相手の判断よりも早く、少女はその兵士へと走り寄り、蹴り飛ばした。
数秒差で、銃声が耳に響く。すぐ脇を弾がかすめた。蹴り飛ばした兵士ではない。そちらには注意を払っていた。
振り返ると、さきほどの通路を右に曲がっていたとしたら出くわしていただろう兵士の一人が銃を手にしていた。その手が引き金を引いている。
再び、銃声が轟く。
蹴り飛ばした兵士へと、飛びつくようにして避ける。膝を思いっきり擦ったが、すぐに態勢を整えると走り出した。
銃声がしつこく追ってくる。足が痛みを訴えている。無理やり意思の力でねじ伏せるとさらに早くなるようにと、足に意識を持っていく。
通路の先で銃を構えた兵士たちが横一列に並んでいるのが見えた。待ち伏せされた、その思いが頭の中を染め上げる。兵士たちに地の利がある分、少女が不利だ。逃げ道を探して、少女の視線がさ迷う。
無数の銃声が都市に木霊した。
咄嗟に、すぐ近くにあった家の敷地へと入り込む。雪だるまのウェルカムボードを取り付けた扉が視界の端に映る。逃げ込みたい気持ちに駆られたが、自制した。敷地を走り、塀を這い上がる。その勢いで敷地に敷かれた白砂は飛び散り、庭に飾られた雪だるまの置物に余さず掛かった。
「追え!」
声が下のほうで聞こえる。塀を上がりきると、下りられそうな場所を探す。早くしないと、ここは格好の的になることだろう。
「撃てぇ!」
声と同時に飛び降りた。腕に一瞬痛みが走る。
大丈夫、掠っただけだ。
そう自分自身に言い聞かせ、地面へと着地をする。汽車から飛び降りたことを考えれば、はるかに低い。足の衝撃を無視して走り出す。間違っても、痛みに耐えかねて速度を緩めるわけにはいかない。
兵士と少女の距離はあっという間に離れていく。
だが、安心できない。耳が無数の足音を拾っている。まだ、追ってきている。既に息は乱れ、視界がぐらついていたが、止まると言う選択肢はない。足に意識を集中させ続ける。
そのとき、走るのに無我夢中になっていた少女の前に、兵士でない人影が現れた。
全速力で走っていた少女は到底すぐには止まれない。頭の中が真っ白になる。一瞬、何が何だかわからなくなった。激突と同時に跳ね飛ばされる衝撃を感じ、思わず悲鳴を上げた。
「きゃっ……!」「うわっ!」
ぶつかった相手と声が重なる。
地面に叩きつけられた少女は、痛みに顔をゆがませながら、半ば反射的に文句を言う。
「ちょっと、何のつもり……」
その声が途絶えた。
まず少女の目が捉えたのは、すり減った靴の底だった。それから、翠色のズボンの裾に銃痕があるのを見つけ、同時に血痕がないことに気がつく。
視線を上げると次に、腰からぶら下がった鞘が見えた。二振りある。装飾が綺麗すぎるところを見ると、飾りかもしれないと思わされた。
更に、清楚な印象を与える白百合色の服が目に入る。襟元から、透き通るような白い肌が覗いている。フードから一部出ている、艶のある翠の髪がその上を流れていた。
左目は痛みのせいか閉じてしまっている。しかし、右目は開けられていた。相手を吸い寄せるような不思議な翠をしている。
すると、その目がこちらを向いた。
はっとする。瞳孔が、縦に長かったのだ。翠の美しさとは対照的な、鋭さを備えている。ちょうどそれは蛇の瞳にそっくりだった。
目の前のその人物は体を起こし、その動きにあわせて被っていたフードがはずれた。
思わず、息を呑んだ。
翠の髪から、尖った耳がのぞいている。その耳には深緑の鱗のようなものがびっしりとこびりついていた。
『龍族がでたとの通達があっただろう、聞いていないのか』
ふと先ほどの兵士が言っていた言葉が、頭をよぎった。
「龍……族……?」
少女を映した瞳がそっと伏せられる。
あっ、と声を上げかけた。思わず出た言葉が、翠の瞳を陰らせてしまったことに気づいたからだ。だが、その様子が肯定を表していることもまた、確かだった。
少しの間を経て、瞳が前を見る。自然と吸い寄せられた。
「逃げてください」
少年の声で言った。どこか耳に心地よい、澄んだ声をしている。
咄嗟のことで、言葉が何もでてこない。
「僕は『龍族』。人じゃ……、ないんです。だから……」
そう言ってまた瞳を伏せる。折角の声が憂えていた。
すり減った靴の底や、銃痕からも窺える。この少年も、少女と同じで、逃げ続けている。同じ境遇なのだろうと、気づかされる。
少年は、呟くように言った。
「だから、関わっちゃだめです」
だが、それにしては……。
少年は地面に体を半分起こしたままの、その姿勢で俯いている。
遠くで兵士たちの足音が聞こえてくるので、少女は立ち上がった。
その間も、少年はずっと俯いたままだ。その姿が、どこか消え入りそうで頼りなく感じた。
或いは自分も、このような姿をしているのだろうか。
違う。
閃光が走ったようにそう感じた。
私は、こんなに『弱く』なんかない。
目の前の少年の姿。ひょろっとした見た目を差し引いても、どこか儚く弱弱しい。断じて、このようなすぐに死にそうな姿などしていない、と。
それからふと、龍族がいると警告をしていた兵士のことを思い出す。ひょっとしなくても、あの兵士の異常な人数、その元凶が今目の前にいるのではないか。このいかにも弱そうな少年が、脱出をより困難にしているのではないか。
気づいてしまうと、もう遅い。ふつふつと少年に対する怒りが湧いてきた。
「ここの兵士たちの数を増やしたのは、あんたでしょう! おかげでこっちはいい迷惑よ!」
怒鳴りながら、しかし本当は心のどこかで気づいていた。
少年はぽかんとした様子で、少女を見ている。
「何とか言いなさいよ!」
少女の言葉にたじろいだように反応するが、それがやっとの様子である。
「あ、あの……、えっと……」
言葉を探して数秒、少年は尋ねた。
「怖く……、ないんですか?」
誰のことを指しているかは、少女の想像に容易い。
「何が?」
けれど、少女はわざとそう答えた。
少女のこの怒りは、ただ兵士の数が増えたからだとかそういうものではない。本当はこの頼りない姿を見たときから、少女の中で理不尽な怒りは湧いていたのだ。てきとうな理由を見つけただけである。
「……何がって。僕は龍族なんです。だから……」
「だったらなんだっていうのよ」
少女は少年の言うことを遮った。耳に入れたくもなかったのだ。
「龍族だかなんだか知らないけど、それがなんだっていうの?」
少年は一瞬何を言われたのか分からないという顔をした。
その顔が気に入らなかった。何故、そんな顔をされなくてはならないのかと苛立ちが込み上げる。
「え?」
気づいたら、手を差し出していた。
「ほら、さっさと逃げるわよ。あんたも追われているんでしょう?」
兵士たちの足音が近付いてきている。
「あ、はい」
少年を立ち上がらせると、そのまま引っ張った。
少年は引っ張られるままについていく。
少女はずっと通路の先を見ながら走っていた。
何故このとき少年の手を取る気になったのか、少女は自分でも分かっていない。ただし、この理不尽な怒りは少年ではなく自分に関するものだとは気づいていた。だからこそ、余計に腹立たしさを覚えるのだ。