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8話 訓練所

「訓練所のルールは知っているな?この結界内のダメージは全て結界の魔力が守ってくれるよ。けど致死性のダメージを受けそうになった場合は魔道具により結界の外に弾き出される。つまり、結界の外に出たものが負けということだ」


知っているなと言いつつ説明してくれるあたりいい人なのかもしれないな。


「本当にやるんですか。.......僕ファイアボール以外の魔法を使えないんですが」


「 ウワァハッハ!それがまた面白い!さぁ始めるぞ!」


ここまでやる気になってしまってはもう止められないだろう。


だが確かに腕試しになるかもしれない。


今の俺がBランク冒険者のエミールにどこまで通用するのか試してみたくはある。


「ではいくぞ!」


エミールの掛け声とともにブザー音が鳴り響く。


俺はすかさずファイアボールを発動する。


「アイスジャベリン!」


エミールもジャイアンードとの戦闘の時と同じ魔法を発動する。


ファイアボールとアイスジャベリンが交錯し、爆発が起きる。


氷が一瞬で水蒸気となり、わずかな湯けむりが立つ。


俺は立て続けにファイアボールを放ち続ける。


一度に放てるファイアボールは3つが限界。


それに対してエミールは氷の矢を少なくとも5本は同時に放てるようだ。


このままでは劣勢になる。


そこで俺は手を打った。


2発のファイアボールは先程までと同じようにアイスジャベリンと交錯した瞬間に爆発する。


その爆発により残りのアイスジャベリンも蒸発する。


しかし予想通り二発分の爆発では全てを蒸発させるだけの火力はなく一本のアイスジャベリンが俺に鋭い先端を向け飛んでくる。


だが予想していただけに一本ならなんとか避けられる。


身を捩りなんとかアイスジャベリンの攻撃を避け、意識を残りの一発、エミールの頭上に放ったファイアボールに集中させる。


「体力切れ?魔力操作がおぼつかなくなっているよ!」


エミールが何やら騒いでいるようだが気にしない。


この距離ならまだ魔力操作できる範囲内だ。


「うわっ!?」


エミールは突如自分に向かって落ちてくるファイアボールに気づき声を上げる。


初めは直線に放つだけでもままならなかったファイアボール。


日々魔法の練習、それもファイアボールの練習ばかりしていたおかげである程度ならファイアボールの軌道を誘導できるようになっているのだ。


当たる!


そう思ったがエミールは間一髪のところでファイアボールの体積とほぼ同量の水を作り出す。


ファイアボールが爆発し水蒸気が沸き立つ。


徐々に煙が晴れてゆきエミールの姿が現れてくる。


「危ない危ない。今のはギリギリだったよ。ってえっ!?」


エミールは煙が晴れたと同時に前方、左右から現れたファイアボールに反応が遅れ直撃した。


致死性のダメージだと判断されたエミールの体は結界の外に移動していた。


「ちょっと今のずるくないか!?」


あぁやっぱりずるかったかな?


「エミールゥゥゥゥゥ!!!」


突如鳴り響く女性の声にエミールが体を軽くビクつかせた。


「......やば」


声のした方を見てみると癖毛混じりの赤い髪が特徴的な女性が腕を組みエミールを睨みつけていた。


「緊急依頼が終わったと聞いたのに帰ってこないと思ったらまーた勝手に訓練所で戦いやがったな」


「ち、違うんだよシャリル姉さん。今回は私からじゃなくあの子から話を持ちかけてきたんだよ!」


そういうと俺を指差すエリーナ。


その顔は必死に助けを求めていた。


「そ、そうなんですよ。すごい魔術師だとお見受けしたので胸を貸してもらっていました」


貸し一だからな。


コクリと頷くエリーナであった。


「そうだったのか。うむ、確かにエミールの胸は豊満であるが」


胸元の開いた服を着ているシャリルを見て思う。


あんたも十分豊満だよ。

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