基地への帰路
キュラキュラキュラ
エンジンの音と履帯の回る音で目が覚めた。
操縦席を覗くとエーデルが携帯食料を食べながら戦車を動かしていた。
「お、やっと起きたか敵さんも生き物だから朝っぱらはあまり出てこないからな。早速今基地まで向かってるところだ。あ、これ食べるか?。」
そう言ってこちらに携帯食料を投げた。
それをうまくキャッチして周りの様子を見ながら食事をとった。なんというか味はカロリーメ〇トの劣化版のような感じで、ただただ本当に飢えをしのぐためのような感じだった。
水を飲み、周りを見渡すと、そこにはクレーターのようなものや壊れた戦車、あれはM4だろうか。朽ち果てた戦車が所々にあり、たまにハーフトラックや、装甲車などもある。
「まるで全国の軍が集まっているようだな。」
そうボソッと呟くと
「なんだ?どうかしたか?」
「いえ、なぜこんなにも様々な国の車両やら戦車やらあるのか不思議に思って。」
「あぁそれはな、この島というか大陸が太平洋上に現れてだな。ここから怪物が世界中を襲うから、5年かかってやっとこの敵の本土まで辿り着くことができ、全国の軍と共同でやっているからさ」
「ちなみに最初にこの島が見つかったのは何年ですか?」
ーー太平洋という名前は同じなのか。
「確か〜1939年だったかな」
ーー1939!?本来ならドイツが第二次世界大戦を始める年じゃないか。なぜこんなことに・・・
「ド・・・シュロース帝国も怪物に襲われたんですか?」
「そりゃぁ襲われたさ女も子供も男も見境なく食い、燃やし、殺し、どの国もまだまだ兵器が甘かったからね。全く歯が立たなかった。」
「そこからどうやって今の状況に?」
「それはだな。地下に兵器を作る工場があって生き残った奴らは全員地下に行き新しい兵器などを開発して、そこから攻守逆転だ。地上を奪還した後は地上で兵器開発、そのお陰で今こうして本土まできた。まぁただ劣勢続きだがな。」
「ジパングはどうだったんですか?」
「よくは聞いてはいないが、最初は確かに押されていたよ。だが、どの国よりも早く技術が進みすぐに優勢になったと聞いた。嘘かホントかは知らないがね。まぁジパングの人間とあったのは君が初めてだよ。」
「そうなんですか。」
「まぁ落ち込むな私はあまり人と関わりたくないだけだから、もしかしたら見たことがあるのかもしれないしな。」
「そうですね。取り敢えずエーデルさんの基地まで行きましょう。」
その後1時間ほどたっただろうか、基地まであと少しのところで、
ーー火薬の匂いがする。
「エーデルさん止めて貰えますか。」
「なぜだ?何かあったのか?」
「いえ、用心のためです。なにか嫌な予感がします。」
「・・・そうか、わかった。そこの林に戦車を隠してから銃を持っていこう。2丁あるからな。」
「分かりました。」
枝や葉っぱで戦車を隠し、銃の扱い方をザッと教えてもらってから行くことにした。
「よし、銃の扱い方は一通り覚えたな。それに火薬の匂い。」
「まだ、分かりませんよ!迎撃したのかもしれませんし!」
「・・・そうだな。そうだと願おう。それでも最悪の事態を想定して予備の弾薬も持っておけ。」
「了解!」
マガジンを計三つ程持ち、基地のあるところへ向かって歩き始めた。
どうも作者のかるびぃんです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
基地へ向かって、あと少しのところで火薬の匂いが!基地は無事なのか?!
次回をお楽しみに。