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それはやっぱり、君でした。  作者: せみまる
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セピア(絵つき)


挿絵(By みてみん)



いつからかもうあきらめた

耳をふさげばそれでいい

大丈夫、聞こえない

こんな汚い音の洪水


ヘッドフォンで世界満たして

混じり合う音から逃げ出して

「助けて」


そしてあなたを見つけたの


初めて見つけた美しい音

壊さないように 壊れないように

そっと触れた世界は

涙が出るほど愛しくて

淡い淡い 色の海に身体を投げ出した

ねえ知らないよ

世界はこんなに美しい



いつからかもうあきらめた

拒みつづけたこの世界

なんでだろう、もう違う

こんな世界も愛していける


あなたの色で世界を奏でて

歩きつないだこの道を

「進もう」


そしてあなたと生きていく


お願いいつまでもこの時間を

壊さないように 壊れないように

そっと守って つないでて

涙が出るんだ愛しくて

淡い淡い 音の海に身体を投げ出した

ねえ教えてよ

世界はどこまで美しい?



思い出していた お別れの瞬間とき

虹を描いてた 初めての世界

これのどこが虹? なんとなくかな

胸に響いてた うすむらさきいろ



失くしたくない時間、失くしたくない音

もう何も聞こえない 望んでたはずの世界

でもどうして

あの音が 色が 恋しくてたまらないよ

時間は止まって 私を縛って

孤独の世界へと―――――



あなたが描いた世界


淡い淡い色の海に 身体を投げ出した


―――――聞こえて、いますか―――――



否定し続けたこの世界の音

壊さないように 壊れないように

もう肯定できるよ

涙が出るほど愛おしい

この時間を空間を愛を

淡い淡い色の海で 優しく濁して


お願いいつまでもこの音色を

壊さないように 壊れないように

そっと伝えて 描いてて

涙が出るんだ愛しくて


ねえ分かったよ

世界はこんなに美しく


世界はこんなに温かい

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