- すれ違い -
ちょっと遅くなった次話です。
*ミリア*
……ひとまずここで休憩しよう。
俺は棺の場所から歩いていた。
途中、
野兎や食べられそうな木の実を収集しながら、
昼にも関わらず真っ暗な森の中を歩いていた。
棺から出て約3日程だろうか。
永い事日の当たらない生活を続けてたせいか、
時間間隔が分からない。
俺は周りの小枝と枯れ草を集め、一箇所にまとめる。
そして近くの木の皮を石で剥ぎ、
その皮の上で小枝をもむように回し、
摩擦熱を利用して火をおこす。
できた火種を枯れ草の真中に落とす。
さらに横から息を吹きかけ酸素を送り、俺は火を起こす。
この方法は昔から日本であったものだ。
原始的な方法だが、この世界に火を起こす道具があるのかも不明だ。
とにかく、最初の目標は会話のできる、知識ある者と出会う事だ。
もう殆どが記憶から消えかかっているが、
確かゲームでは人類はいたはずだ。
俺は人物と出会う事を目標にたて、
暗く、不気味な森の中で今日を過ごす―――
*アニー*
私は今日もミリアの眠っているあの場所へ向かう。
いつもの通り、なだらかな坂道を登り、ゆっくりと向かった。
だが一箇所だけいつも通りではなかった。
ミリアの棺が外に出ているのだ。
おかしい。
私は駆け足で近くに向かった。
棺の中にはミリアはいなかった。
棺の蓋が外に出ており、棺の周りの土はまったく掘った形跡はない。
まるで……そう。
まるで棺の中から何者かが出て行ったように―――
「…っ!まさか…ミリア!?」
……生きていたんだ―――
それを思うと、自然と涙が溢れ出てきた。
今まで、あの時から一度も泣かなかったのに……。
ミリアはどこへ向かったのだろう。
もしや迷子になっていないだろうか。
こうしてはいられない。
私はすぐに館に帰り、メイド達に少し人間の帝国に出向くと嘘を伝え、
ミリアの棺の場所からミリアを捜索する。
ミリア……お願い、出てきて。
私に謝らせて。
そして願えるなら、もう一度あなたの無邪気な笑顔を見せて頂戴。
そう思いながら、一心不乱に探し出した―――――
これから徐々に世界観などを醸し出していく予定ですので、
ちょっと分からない事もあるかもですが、
その辺はご了承下さい;