- 俺がロリになっても意味がないっ! -
はい、第2話です。
他の作品も更新をするのでよかったらそちらも。
「え~と……」
学校に行きたくないから現実逃避している人、
会社が半ブラック企業でいつも疲労がたまっている人。
俺、中谷 祐一は変な所に来ちゃったそうです。
ちょっと現実逃避&混乱を紛らわすため、自分の事をまとめようと思う。
俺は中谷雄一。普通の高校に通っている若干……いや、
結構なロリコン属性がある高校生だ。
そんな俺が何故こんな所に異世界物小説宜しく意味不明な所に
連れて来られないといけないんだよ。
俺は平和に自宅のPCで幼女ときゃっきゃうふふしたいだけなんだよ。
そんな俺に非日常なんていりません。
ひとまず辺りと見てみる。
紅い光で薄暗く照らされている部屋。
RPGゲームで出てきそうないかにも頑丈ですよといわんばかりの
鉄で出来ていると思われる扉。
部屋には窓類が一切無く、今自分が座っている大人2~3人が寝転がっても
まだスペースがあるようなキングサイズのベッドだけが
この部屋に家具として存在している。
他に小物として存在しているのは兎のぬいぐるみぐらいだった。
……何となく嫌な予感しかしないのは気のせい?
俺はとりあえず体に異常がないか確認した。
…………俺の体は異常だらけでした。
まず明らかに背が小さい。
これじゃ小学生低学年の身長だ。
小学生は大好……ゲフンゲフンッ!和むが自分がなっても意味が無い。
眺めて愛でるのがロリコンの心得というものだ。
ん?俺がロリコンかって?
はっはっは、そんな事もちr(ry
自分がロリコンなのを認めたって?
HAHAHA、かぶきおる。
まぁ、ひとまずそれは置いとこう。
次に肌だ。
病的なほどに白い肌。
健康的な小麦色の肌とは言い難いものだ。
髪は艶があり、一本一本が絹の様に細い綺麗な銀髪のショートヘヤー。
細い体は触れたら壊れてしまいそうな儚さがあった。
まるで絵から飛び出て来たかのようだ。
そんな美少女に俺は憑依してしまったのだ。
「俺がロリになってもなぁ……」
声も俺のどストライクのロリ声だった。
俺が色々と考えていると重そうな扉が開いた。
入ってきたのは綺麗な若い女性だった。
金髪の髪を後ろにまとめたポニーテール。
お母さんと言う様な感じがした。
そんな人がなんとメイド服を着ていた。
白黒の可愛いフリルの付いたメイド服。
秋葉原でよく見かける奴だ。
この人コスプレ趣味か……?
俺はついそう思ってしまったが、さすがに失礼かと思った。
人の趣味には口を出さないのが俺だ。
女性は少し悲しそうな表情をしながら手に持っていたトレイを
床に置いて出て行ってしまった。
女性が出て行った後、向こう側でガチャリと音がしたから
鍵を閉めたのだろう。
俺はトレイを見てみる。
トレイには小学校で出てくる給食の様な感じのご飯だった。
……もしかして俺のご飯か?
俺は水の入ったコップを持ち、中を覗いた。
映ったのはこれまたなんとなく想像していた通りの超絶美少女だった。
まるで絵から飛び出て来たかのような可憐で整った顔だった。
……………………知ってる。
俺は自分のこの姿の人物……いや、キャラを知っている。
このキャラは俺が大好きなゲームのチートキャラと言われていた。
そのゲームは|アナザー・ライフ《Another・Life》。
このゲームはアクションRPGゲームだ。
ただこのゲームはそんじゃそこらのゲームとは格が違う。
まずはキャラの豊富さ。
とてつもない程のキャラの種族、種類がある。
このゲームを作った会社でさえキャラ種類の正確な数は分かっていない。
それほどに膨大な量のキャラがいる。
勿論それは最初の自身のキャラメイクにも影響する。
とてつもなく細かく弄れる為、自分の理想のキャラが出来ない事はない。
そう言われたぐらいだった。
勿論キャラメイクが苦手な人の為に標準モデルが多数ある。
さらには世界の広さ。
アナザー・ライフはとてつもなく広大な世界だ。
それこそ世界の端から端まで移動するのに
ざっと半年はぶっ通しで頑張らないとまず行けない。
他にもアイテムや武器・防具等の種類も多数存在する。
世界で史上最高の売り上げを出したゲームだ。
そしてこのゲームはオンラインも可能だ。
オンラインで他の世界中のプレイヤーと協力して様々な事をこなしたり、
PVPをしたり、協力中裏切ったり、
とにかく何でもありだ。
そんな世界でチート級のキャラが6体存在する。
この6体はどんなに金を注ぎ込んだ廃人プレイヤーが挑んでも
まったくダメージを与えられない存在だった。
稀にチートソフトを使い、反則をするプレイヤーもいたが、
そんなプレイヤーでも勝てなかった。
まさにチートキャラだった。
そんなチート級のキャラ6体の中で1~2位を争うのが今俺が憑依している
この超絶美少女だ。
名前はミリア。ミリア・アルテミシア。
愛称はミィと呼ばれているが、可愛い外見とは裏腹に
とんでもない強さの持ち主なのだ。
能力は死神の腕。
任意の『もの』を抹消する事が出来る。
まさにチートだった。
そんなミリアに俺は憑依していた。
俺はこのミリアが大好きで、ミリアの過去を調べたりしていた。
ミリアは人間ではなく亜人。
そして幼い頃に能力を行使し両親を殺害する。
そこを姉のアニーに見つかり、気絶させられ幽閉される。
そして1000年もの間ずっと地下の部屋に閉じ込められる。
そのせいか一人になると過去の寂しさからか暴れまくる。
それがミリアに関する情報だ。
「俺……ミリアになっちゃったのか。」
俺はただ突っ立っているのもあれだと思い、トレイにある料理を食べた。
普通に上手かった。
俺の母さんの手料理より上手かった。
まぁ母さんの味噌汁には勝てんがな。
あれの上手さは国宝級だと思う。
俺ははむはむと食べながらこれからの事を考えた。
俺がミリアになったからってこの世界がアナザー・ライフだとは限らない。
それに能力も使えるとは限らない。
あぁ、何か大変そうだ。
人間って理解が出来ない領域に入ると逆に落ち着くんだなと思いながら
黙々と料理を食していた。
どうでしたか?
ご感想を頂けると作者はヒャッホォォォゥゥゥ!と家中駆け回ります。