- 手がかり -
どれ程待たせれば気が済むんだと言いたくなるようなまでに更新が亀だった事に気がつかなかった投稿者です。
本当に申し訳ないです。
*ミリア*
目が覚めると、一筋の明るい日差しが葉で覆われた空から漏れた光が顔に当たっていた。
「……今何時だろう。」
俺は痛む身体を起き上がらせる。
この森まで来れたのはこの身体だったからだろう。
なんせ足が片方欠損した状態で歩いてこれるのだから。
だがもうそれ程力は残ってない。
今も起き上がるのが精一杯だ。
火種が消えかけている焚き火を見ながら、俺はこれからの事を考える。
どこへ行けばいいのだろう。
そもそもここがどこなのかが問題だ。
そして元のあの館まで戻れるのかと言われれば否だ。
まず場所が分からないし、そもそも自分の現在地も不明なのだ。
そんな状態で館にたどり着くなんて不可能だ。
猫を鍵盤の上で歩かせて、一つの曲が出来るまで待つようなものだ。
そもそもここはゲームの世界なのかがまだ確定出来ていない。
ゲームなのだろうという推量なら出来るが、ゲームだとは断定出来ない。
確かに自分は今ミリアだ。
だがパラレルワールドのようなものかもしれない。
頭の中ではゲームの世界だと思っているが、実際そうなのかは定かではない。
さて、どうすればいいのか。
力もない。
歩く事も既に出来ない。
だがこのままじゃ死ぬだろう。
いくら亜人でもここまで衰弱しており、尚且つ子供なのだ。
仮にミリアだとしても死ぬ確率の方が高いはずだ。
それにしても何故俺は柩に入っていたのか。
恐らくは姉のアニーが俺が死んだと勘違いして埋葬したのだろう。
あのユアンの丘に埋葬したのも、アニーが一度だけ見せてくれたあの絵画の件があったからだろう。
今となってはどうでもいい話だ。
いや、憎むべき相手なのかもしれない。
あいつさえいなければ俺は幽閉なんてこともなかったのだ。
こんなに重症の身体になる事もなかった。
そうだ、あいつがいなくなれば俺はこんな苦しい思いなんてしなくて済む。
あいつが居なくなれば……そうだ。
あいつを殺せばいいんだ―――――
*アニー*
「次はこの辺りね。」
私はメイドに次の捜索範囲を伝える。
私はミィを見つける事だけ考えていた。
後のことなどどうでもいい。
とにかくミィが生きていた。
その事実だけで十分だ。
後はミィを見つけるだけ。
ミィの身体はボロボロだ。
それ程遠くへはいけないだろう。
何より、今も苦しんでいるはずだ。
そんなミィを救ってあげないといけない。
姉として……アニーとして。
「お嬢様!」
バンッ!と大きな音を立てて扉を開けたメイドが慌てて此方に走ってきた。
「どうしたの?」
私はメイドに問う。
「メリアンの森の入口に小さな足跡が発見されました!」
そのメイドの言葉に私は驚愕した。
「今すぐ連れて行きなさいっ!」
「し、しかしその足跡は様子がおかしく、血痕の足跡で尚且つ片方の足跡しか存在しておりません。」
その言葉を聞き、確信した。
ミィだ。
やはり生きていたのだ。
「いいから連れて行きなさい!今すぐよっ!」
ミィ…もうすぐよ。
もうすぐだからね。
今度こそ……絶対守ってみせるから―――――
そんな姉の思いは…既に狂気に変わった妹には届かないのも知らずに―――
で、でも不定期更新って書いてあるし……ね?(;
……本当にすみません。
今度はもう少し早めになればと思います。