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戦神神話  作者: 鈴神楽
世界の車窓から
50/68

新名の子供、新狼登場

元々人間の神は子供を作ることが可能である。特に相手も元人間の使徒なら

「今回はシーサイド線の終点、海と山が楽しめるアーカルサに向かう車窓から」

 何処か、やる気の無いヤオであった。

『結局、暫くは掲載しないが、時期を置いてから掲載するから、掲載したら原稿料を、払ってくれるらしいな』

 白牙の言葉に、ヤオは、残り少ない旅費を数えて、大きく溜息を吐く。

「とりあえず、この路線で手に入る機械のパーツがあれば、再開するまでの旅費になる筈だよ」

『また、ダブル可能性があるがな?』

 白牙の冷酷な言葉にヤオが言う。

「そこは大丈夫、前回の教訓から、ちゃんともらえるパーツも調べて、シーサイド線に乗ったから」

 白牙の視線が冷たくなる。

『お前はそんな下らない理由で、行き先を決めていたのか!』

 素直に頷くヤオ。

『前々から思っていたのだが、お前は神名者としての自覚はあるのか!』

 悩みだすヤオに、白牙は疲れ果てた顔をする。

「安心しなよ、あちきがどんなに自分が神名者である事を嫌っても、世界は、あちきを神にする為に動くんだから」

 何気なく紡がれた言葉だったが、白牙は違和感を覚え、ヤオの顔を見た。

 そこには、人も、魔獣すらも寄せ付けない、神だけが持ちえる、永劫の悩みを持つ者の顔があった。

『八百刃様、何かお悩みですか?』

 ヤオは答えず、ただ外を見る。

「あちきは何時まで、この世界を旅できるんだろうね」

 ヤオのその寂しそうな言葉に、白牙が言う。

『八百刃様は必要にされています。それは、理解して下さい』

 本当に辛そうな顔をするヤオに、白牙はそれ以上何も言えなくなった。

 そんな二人を鉄道は否応にも、前へ進ませる。

 それは、ヤオにとっては、決して止まる事が出来ない、自分の運命を象徴している気がした。



 ヤオは機械のパーツを受け取り、残りのパーツである事を確認してから街に出る。

「さー、高値で買ってくれるお店を探さないと」

 そんな事を話している時、一人の女性が数人の男性に囲まれている所に遭遇する。

「金に困ってるんだろう?」

「俺達は、ちゃんと金を持ってるから安心しな」

 いやらしい表情で女性に迫る。

「幾らお金に困っているって言っても、体を売るような事はしない」

 女性が毅然な態度で応じると、逆切れする男。

「女の癖に!」

 振り上げられた拳に、女性が目を閉じる。

「あちきも、お金に困っています」

 間に入ってヤオが言う。

 拳を振り上げていた男が爆笑する。

「残念だが、俺は、幼女趣味は無いんだよ」

「そう、それじゃあ行こうか」

 ヤオは、女性の手を引いてその場を離れようとした。

「待ちやがれ!」

「危ない!」

 女性がヤオを庇おうしたが、それより先に、男が吹っ飛ばされていた。

「小娘、舐めるんじゃないぞ!」

 一斉に男達が、ヤオに詰め寄る。

『憂さ晴らしは、程々にな』

 白牙の言葉にヤオは素直に頷いた。



「あんた、強いね」

 食堂でヤオに御飯を奢る、助けられた女性、ミリア=マースナ十九歳がそう言うと、ヤオが普通に頷く。

「誰にも負けない自信はあるよ」

「大きく出たね。それじゃあ、お願いあるんだけど良いかい?」

 ミリアがそう言って、山を指差す。

「あそこに山に、沢山の人間が迷い込んでいて、帰ってきて居ない。あたしの働いている店の亭主もな。そんで給料が出ないんで、結構厳しいんだ」

 その言葉にヤオは頷く。

「了解、直ぐに連れ帰ってくるよ」

「本当に大丈夫か?」

 少し心配そうな顔になるミリアに、ヤオは胸を張って言う。

「大丈夫、奢ってもらった分の働きはするから」



 山を登る道の途中、白牙が言う。

『何でこんな仕事を請けた?』

 ヤオはあっさり言う。

「多分、今回の事は魔獣がらみだよ。だから受けたんだけど、少し問題がありそう」

 そういって、上を見たとき、一頭の馬が空を駆け下りてくる。

 神々しい鬣を持ったその馬の背には、一人の青年が騎乗していた。

 その青年は、その馬の背から降りて、ヤオを睨む。

「お前が神名者、八百刃か?」

 憎しみすら感じる口調に、白牙の視線が厳しくなるが、ヤオは大して気にした様子も無く言う。

「そうですけど、貴方はどちら様?」

「俺は、偉大なりし時空神、新名様の血をひきし、新狼シンロウだ」

 その言葉に、ヤオが白牙に小声で囁く。

「狼打も度胸あるよね、自分が仕える神様を、孕ませたなんて」

 その言葉に新狼は、ヤオを怒鳴る。

「たかが神名者が、神の事に、口を出して良いと思っているのか!」

 白牙の目付きもきつくなる。

『ヤオの力を貰って神になったひよっこの子供の分際で、大口を叩くとは、滅びる覚悟はあるのか?』

 一発触発の雰囲気が、新狼と白牙の間に流れるが、ヤオは平然と言う。

「新名に出産祝いを贈りたいけど、今はお金ないから、言葉だけ伝えといて、ヤオがおめでとうと言ってたって」

 すると、新狼の肩から年輪を感じさせるテレパシーが放たれる。

『新狼殿、この御方に敵意をぶつけても無駄じゃよ。本当の意味で、戦いと言うものを知っているのだから』

「しかしな、萬智亀マンチキ

 新狼は、肩に乗る小さな亀、萬智亀に向って何か言いかけたとき、一匹の蝙蝠が逆の肩に乗ってテレパシーを放つ。

『萬智亀よ、こんなガキが、本当に、この世界最強の存在なのか?』

 萬智亀は頷き言う。

『間違いない。正しい戦いの護り手、八百刃様だよ、不音蝙蝠フオンコウモリ

 その蝙蝠、不音蝙蝠は、ヤオの周りを周ってから言う。

『嘘だろ、何時でも殺せそうだぜ』

 挑発を籠めた言葉に、ヤオは平然と言う。

「最初に断っておくけど、あちきに貴方の固有振動数を使った破壊攻撃は通用しないよ」

 驚く不音蝙蝠。

『何で解った?』

『相手を考えて、行動すべきじゃな。八百刃様が攻撃の為の準備を、見逃すわけは無い』

 萬智亀の言葉にヤオが頷く。

「まー、音波が見えないからって、全身を探るように音波を、周波数を変えて放てば、誰だって解るよ」

 不音蝙蝠は、沈黙する。

「それでそっちの馬は?」

『あの者は、空駆馬クウクバと言って、空間を駆ける能力を持ちます。どんな場所にも即座に移動できる便利な馬です』

 空駆馬が頭を下げる。

 ヤオも頭を下げた後、新狼の方を向いて言う。

「それで、あちきに何か用があったの?」

 新狼がようやく本題を思い出した様子で言う。

「この先には何故か、魔獣が複数居る。そこで狼打に頼まれて、俺が始末しに行くところだ。だから邪魔をするなと、釘を刺しに来た」

 眉を顰めるヤオ。

「父親の事を呼び捨てにするのは、感心しないよ」

 新狼は激しく反応する。

「煩い! 俺の親は新名様だけだ! 行くぞ!」

 空駆馬に騎乗して、ヤオの目的地に向って飛んでいく新狼であった。

『狼打の息子にしては、失礼な奴だな』

 不機嫌そうな顔で白牙が言う。

「きっと反抗期なんでしょ」

 気にした様子も無くヤオは進む。



「俺は認めない。この世界で最高の存在は新名様だ!」

 空駆馬に乗りながら新狼が怒鳴る。

『しかしながら、この世界で最強と言えば、間違いなく八百刃様をさします』

 萬智亀の言葉に、新狼が怒鳴り返す。

「主神である新名様に、勝てる存在は居ない!」

『でもよー、前の主神である真名を倒したのは、八百刃じゃなかったか?』

 不音蝙蝠の言葉に、新狼は何も言えない。

『力こそ全てでは、ありません。新名様がこの世界を維持しています。それは例え八百刃様でも代われない、重大なお役目です』

 萬智亀の言葉に新狼は頷いて言う。

「当然だ、新名様は特別なのだから」

 そんな話しをしている時、山を覆う森の木々から、何かが伸びてきた。

 咄嗟に空駆馬が回避するが、油断していた新狼はバランスを崩して、森に落ちていく。

『馬鹿な奴だな』

 溜息を吐きながらも、その後を追う不音蝙蝠と空駆馬であった。



『大丈夫ですかな?』

 自分は甲羅に閉じ篭もり、傷一つ無かった萬智亀の言葉に、森の木々で、腕や足に切り傷を作っている、新狼が答える。

「大丈夫に決まってる!」

 直ぐに立ち上がる新狼。

 そこに再び、何かが伸びてくる。

 咄嗟に避ける新狼。

「何なんだ?」

 その質問に萬智亀があっさり答える。

『オランウータンの腕ですな。異常に伸びていますから、そういう能力を持った魔獣でしょう』

 その言葉に新狼がにやりと笑う。

「早速一匹目って事だな! 行くぞ!」

 そう言って、駆け出すと右手を天に掲げて呪文を唱える。

『時空神新名と狼打の血を引きし我が求める、空間を切り裂く狼なりし剣を我が手に、空狼剣クウロウケン

 その手の中に、柄に狼が意匠された剣が握られる。

「一撃で終わらせる!」

 空狼剣を振るう新狼。

 その一撃は、森の木々を無差別に切り倒して、敵が居たと思うところを打ち砕く新狼であったが、次の瞬間、殺気と共に放たれた攻撃に驚き、後退したところを、頭上から放たれた踵落しに、肩を砕かれる。

 痛みを堪えながら、地面を転がり、後退する新狼。

『情けない奴だな』

 ようやくやって来た不音蝙蝠がそう言うと、超音波を放ち、周囲を探り言う。

『どんなに巧妙に隠れようとも、俺の超音波から逃れる術は無いぜ!』

 その言葉通り、相手の居場所は直ぐに見つかった。

『やべえ、こいつ動きがとんでもなく速い』

 オランウータンの魔獣は、木々の枝を信じられないスピードで、移動し続けて居た。

『空駆馬、捉えられるか?』

 萬智亀の言葉に、空駆馬が空間を跳躍して、相手の直ぐ傍に駆けるが、相手も動いている為、攻撃は出来ない。

 砕かれた肩を押さえながら、立ち上がった新狼が言う。

「森ごと切り裂けば良いんだろ!」

 空狼剣を大きく振り上げる新狼の頭に、今度はヤオが踵落しを入れて、気絶させる。

「萬智亀さん、あんたもお目付け役だったら、もう少し被害でない様に注意しなさい」

 萬智亀が溜息を吐いて言う。

『そうしたいのは山々なのですが、なにぶん亀なもので動きが遅いのです』

 白牙がそんな萬智亀を睨み言う。

『誤魔化すのは止めておけ、お前はオランウータンの魔獣の相手をするには新狼は役不足と思い、故意的に気絶させる為に止めなかったんだろうが』

『何のことでしょうか?』

 とぼける萬智亀に白牙は明らかな敵意をぶつける。

「いまはそれより、目の前の敵の事を考える」

 ヤオの言葉に白牙が前を見る。

『森の中であのスピードで動かれては、お前でも捕らえるのは至難だぞ?」

 ヤオは素直に頷く。

「それでも、手は無いわけじゃないよ」

 ヤオが、両手を天に向けて唱える。

『八百刃の神名の元に、我が使徒を召喚せん、炎翼鳥』

 ヤオの右掌に『八』、左掌に『百』の文字が浮かび、天に炎の翼を持った鳥、炎翼鳥が召喚される。

 そしてヤオは大声で言う。

「おとなしく出てきなさい。さも無いと森ごと燃やすよ」

 そう言ってから炎翼鳥に合図を送り、天を焦がすような炎を、炎翼鳥翼に放たせる。

『被害を出さないのでは、ないのですか?』

 萬智亀の言葉に、ヤオは前を指差す。

 そこには、オランウータンの魔獣が姿を現して居た。

『この森、大切な森。燃やすの駄目』

 ヤオがあっさりと言う。

「最初からそんなつもり無いよ。単なるハッタリだよ」

 オランウータンの魔獣が驚いて、動きを止めた。

「そんな事より、この山に多くの人が迷い込んで、出てこないって話だけど、理由知らない?」

 オランウータンの魔獣が言う。

『この奥で働かされている。ついて来い』

 ヤオは頷く。

『待ってくだされ!』

 萬智亀は、空駆馬に、気絶した新狼を背に乗せてついて来る様に、指示を出す。



「何だ、これは?」

 途中で意識を取り戻した新狼が見たのは、山の中とは思えない、海水溜りと、そこに生息する珊瑚の塊である。

 ヤオは少し見てから言う。

「萬智亀、あんたの意見も聞きたいんだけど、これだけの錬金珊瑚レンキンサンゴが、自然に発生する可能性はある?」

 萬智亀は首を横に振る。

『技術を司る神名者、透連鏡トオレンキョウ様の使徒である錬金珊瑚が、分身とはいえ、自然にこれだけ発生するのは、不自然ですな』

「錬金珊瑚? それは何だ?」

 新狼の言葉にヤオが言う。

「萬智亀の説明にもあったでしょ、透連鏡の使徒である元魔獣で、大量の分身を生み出して、その分身は、物質を変質させる触媒に成る。量次第では、魔獣すら人工的に作ることが出来るって、透連鏡に聞いた事があるよ。確か魔法の触媒には最適だって、人間が人工的に養殖しるって話もあるけど、これだけの大規模なのは初めてだよ」

 ヤオは、周りを見ると、まるで何かにとりつかれた様に、錬金珊瑚の増殖させる為、働き続ける人間達が居た。

『あれは操られてるぜ!』

 不音蝙蝠の言葉に、ヤオも頷く。

 そして、働いていた人間の一人が、疲れから休憩をとろうとした時、一匹の豚がゆっくりと近づき、その鼻を押し付けると、何かを吸い込む。

 その途端、その人間は疲れなど忘れたみたいに、働き始める。



『あれは、人の怠惰の心を吸収する魔獣みたいだが、あんな風にずっと働かせていたら、人間など三日ともた無い筈だが、死体が見当たらないのー?』

 萬智亀がそう言った時、オランウータンの魔獣が言う。

『夜は休む。疲れなど吹き飛ぶ癒しの効果ある』

 月が見えてくると同時に一匹の猫が現れる。

『皆さんご苦労様です。今宵も良い夢を見てください』

 その言葉と共に、錬金珊瑚が養殖される周りに、不思議な華が咲き、柔らかな香りが辺りを包む。

 そして働いていた人間は、思い思いに眠りに着く。

『面白い。働かせる魔獣と休ませる魔獣を一組にして使うことで、作業効率をあげたのじゃな』

 萬智亀の言葉にヤオが言う。

「だからって、ただ働きさせるのは駄目だよ」

 豚と猫の魔獣のところに行くヤオ達。

「俺が退治してやる!」

 空狼剣を抜こうとする新狼に、ヤオは当て身を食らわせて、ダウンさせる。

「事情を説明してくれる?」

 ヤオの言葉に、豚の魔獣は面倒臭そうに言う。

『沢山の人間の怠惰の心を吸える、言われた』

 少し待ってもそれ以上の答えが無いみたいなので、ヤオは猫の魔獣を見る。

『私は月華猫ゲッカビョウと言います。こっちは、堕吸豚ダキュウトンです。私の能力は人々に安らぎ与えるものですが、人々は安らぎだけでは生きていけないみたいです。自分の力の使い方に迷っている時、一人の男性に、ここに案内されました。ここの働いている人たちには悪いですが、これも私の生きるためだったのです』

 申し訳無さそうに言う月華猫にヤオが言う。

「迷惑している人も居るから開放するよ」

 月華猫は少し戸惑ったが頷く。

『また怠惰な人間さがす、面倒』

 堕吸豚が本当に面倒そうに言うと、萬智亀が言う。

『それだったら大丈夫じゃよ、昔と違い、今は街には沢山の人間が居る。街に降りれば、幾らでも怠惰の心は吸える。きっとここに居るより楽にな』

『街まで行くの、面倒』

 その言葉に、復活したばっかりの新狼が怒鳴る。

「面倒な奴だ! 来い!」

 そう言うと、堕吸豚を抱えて空駆馬に騎乗して、空間を駆けていってしまう。

「もう少し落ち着きがないと、駄目だと思うよ」

 ヤオの言葉に苦笑する萬智亀。

『まだ若いですから』

 そしてヤオは最後にオランウータンの魔獣を見る。

「あんたはどうしてここを護っていたの?」

『森に人がいっぱい来る、迷惑。ここで人止めておけば、森、荒らされない』

 その言葉に苦笑するヤオ。

「逆だよ、このままだったら山狩りが始まってたよ」

如意森人ニョイシンジン、馬鹿だった』

 ヤオは、大量の錬金珊瑚を見ながら言う。

「これの価値を知る人間が見たら、この山全体が大騒ぎになるね」

『しかし、これだけの物を処分するのは大変じゃろ?』

 萬智亀の言葉にヤオが言う。

「山に被害を与えて良いんだったらいくらでも方法あるけど、それは駄目だね」

 そう言ってから如意森人を見て言う。

「この森の番人ならない?」

 如意森人が首を横に振る。

『如意森人一人、無理』

 ヤオが答える。

「それだったら、あちきの使徒になれば良いよ。手が足りない時は言ってくれれば、あちきの八百刃獣を貸してあげる」

『如意森人、感謝』

 そして月華猫が言う。

『私も貴方様の使徒にして下さい。ここの人を無理やり働かせた罪滅ぼしをしたいのです』

 そして新しく二匹の八百刃獣が誕生した。



「次は自分独りの力で、解決するからな!」

 空駆馬の力で、街の人たちを街まで輸送した新狼が、捨て台詞を残して去っていく。

 それを見送りながら、ヤオが言う。

「白牙、あの錬金珊瑚どう思う?」

『戦神候補であるお前に見つけられると言う事は即ち、兵器転用目的の養殖だろうな』

 頷くヤオ。

「それもかなり大規模の。面倒な事になりそうだよ」

 そう言いながら、ヤオは一つの店に入る。

「ここってレア玩具の買い取りやってるって、ミリアさんに聞いて来ました」

 そう言って、揃ったばっかりの機械の体を出すヤオ。

「ほー、それは記念グッズだね。見せてみなさい」

 そう言って店主が鑑定する。

「雑誌で読んだよ、確か全部揃ってたら、金貨十二枚もするんだよね?」

 嬉しそうに言うヤオ。

『錬金珊瑚の問題は良いのか?』

 ヤオがあっさり言う。

「それはそれ、これはこれ。第一、お金が無いと旅続けられないもん」

 そうこうしている間に鑑定が終わり、亭主は金貨を六枚差し出す。

「うちで出せるのは、これだけだね」

 その言葉に驚くヤオ。

「買値だからって、それって安すぎませんか?」

 すると亭主は、機械の体の傷を指さして言う。

「状態が悪いね。それでも全部揃って出るのは、まれ、だから六枚出すんだ。嫌だったら他をあたりな」

 ヤオは、空に果てし無く近いサイフを見つめた後、金貨を受け取って、次の街を目指すことになった。

○新八百刃獣



月華猫ゲッカビョウ

月光を取り込み、華を生み出す。

その華の香りは、人々から穏やかな気持ちにさせる。

元ネタ:忍神さんとhiroshiさんのミックス(大感謝)



如意森人ニョイシンジン

手足が伸びて、森を自由自在に動き回る。

意外と戦闘能力は高い。

元ネタ:忍神さん(大感謝)



○新名の使徒兼新狼のお守り



空駆馬クウクバ

空間を跳躍しながら駆ける馬で、無口で、従順である。

元ネタ:忍神さん(大感謝)



萬智亀マンチキ

小さな亀だが、やたら知識が深い。

老人ぽい性格してるが、意外と抜け目が無い。

元ネタ:忍神さん(大感謝)



不音蝙蝠フオンコウモリ

固有振動数を読み、あらゆる物質を破壊する能力を持つ。

元ネタ:hiroshiさん(大感謝)



○その他魔獣



堕吸豚ダキュウトン

怠けたいとか、休みたいという仕事にとって、マイナスな感情を吸収する豚の魔獣。

しかし当人は、楽をするのが好きって理不尽な存在。

元ネタ:セリオンさん(大感謝)



錬金珊瑚レンキンサンゴ

物を変質させる能力を持った珊瑚虫の魔獣。

その珊瑚は、魔法の触媒に使われる事が多い。

元ネタ:セリオンさん(大感謝)

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