中二病戦争 教室
教室につくまでに、冬海の話を聞くとどうやら読んでたコミックに影響されたらしい。
そのコミックは、『幻想世界の破壊王』と言うなんともまぁ、中二病的な内容でその主人公の姿が白い眼帯とマフラーがチャームポイントの女性らしい。
「いや、影響されすぎだろ」
人は自分に似た容姿に連帯感を覚える生き物だが、それにしたって影響されすぎ。
しかも共通点、マフラーしかないし。
「とにかく、冬海よ。その格好をさっさとやめよ」
「いやー!だけど、結婚して!」
小此木が言うが、冬海は聞かない。
「早く止めてくれ、冬海!お願いだから!」
山田も言うが、彼女は止めない。
早くしないと、彼女が来ると言うのに……。
「呼ばれなくても即参上。勝利の剣、『闇照勝利』をこの手に、今我は降臨す!
浅尾、またの名を飛行機、即参上す!」
あぁ、来てしまった。
山田と小此木が後ろを向くと、そこには予想通りの人物が居た。
日本人にあるまじき金色の髪。右目が赤と左目が青のオッドアイ、そして黒のゴスロリドレスを着た美少女。
彼女の名前は、浅尾。中二病をはやらせている、山田や小此木などのクラスメイト。
「……浅尾」
「おはようですね、血吐鬼。今日も忌々しきは太陽、まさしく私の天敵ですね」
……相変わらずの中二会話のため、少し皆に敬遠されている。
ちなみに『血吐鬼』とは山田のこと。血を吐いた所を見られてから、そう呼ばれている。
「そうだな、浅尾」
「むっ、仮面か。今日もその忌々しき、悪の仮面に心を奪われているのか。全く、邪神の精神攻撃は相変わらず、だな」
ちなみに、『仮面』は小此木の事。何故か浅尾は小此木の事が苦手らしく、今日も今日とて後ろに下がってる。
「時に、冷蔵庫。今日はまた面妖な格好だな」
「浅尾ちゃん、どうして私が冷蔵庫なの?しかもそのままの」
「だって、マフラー=冬。冬=寒い。寒い=冷蔵庫。そこに何の疑問点があります?」
ただの言葉遊びじゃないか!
「ちなみに、浅尾。『飛行機』とは何の事だ?」
「ふふふ、血吐鬼。飛行機は、飛ぶでしょ?」
まぁ、確かに飛ぶな。飛行機だし。
「飛行機は飛ぶ。宙に浮く。よって、今の私の状態その物じゃないですか!」
「浅尾その物?」
どう言う事だ?
「宙に浮く。つまり、クラス内で浮いてる私こそ、相応しいじゃありませんか!」
「分かってるなら、ちゃんとクラス内で浮かないように努力しろ!」
分かってるのならば、ちゃんと努力して浮かないようにしろ。
「ふふふ。やはり血吐鬼は面白い。存分に見晴らせて貰おう」
「……勘弁してくれ」
「何故かに浅尾に気に入られてしまった山田。
果たして彼に明日はあるのか!」
「無かったらこっちが困る!」
本当に、浅尾はややこしいキャラしてる。




