誤解戦争 その1
日高に謝る事に成功した阿久津であったが、もう1人話を付けなければならない人物が居た。
その女性の名前は……久世。
お題:
ビール ジッパー 呼び方
何気にお題が雑になっている気がするんですけれども、どう言う事になっているんでしょうかね。
阿久津はこの前、日高に久世と仲良くするように頼んだのだけれども。
……まだ阿久津には、説明しなければならない人が居た。
そう、久世。同じ高校出身のあいつにも、説明をしなくてはならない。
だからこそ、阿久津は久世の元に向かっているのである。
久世の家は、電車に乗って1駅先に行った所にある街にある旅館である。
旅館、『久世館』。
民宿業を営むこの旅館に来るのは、本当に久方ぶりである。
なにせ電車に乗って1駅移動するだけでも、かなり手間がかかるからである。そう、容易く何度も行き来出来る場所ではないのである。
「こんにちはー」
と、阿久津がそう言いながら旅館の扉を開けると、
「いらしゃいましぇ~、阿久津しゃん!こんな遠い所まで、ようこそれす!『久世館』によるこそ!」
と、紫色の浴衣を着た久世が、満面の笑顔を浮かべながらそう言ってくれる。
なんか顔も所々赤いし、ビールでも飲んでいるのか?
「大丈夫か、久世。なんか顔が赤いんだが」
「大丈夫れすよ~。ちょいと、視界がぼやけとるだけとす~」
いや、それは大丈夫じゃないんだけれども。
「こりゃぁ、もう~。眼鏡ぎゃ必要れすかね?」
「いや、ただ酔っぱらってるだけだろ。どれくらい飲んだんだよ?」
「……う~ん。酒を2杯ほど……嗅いだくらい」
「飲まずに酔うとか、どれだけ弱いんだよ!?」
いや、確かに20そこそこだからこそ、酒を飲んだ経験とかはほとんど飲んだ事はないんだろうけれども。それでも酒を飲まずに酔うのは、弱すぎるにも程がある。
「う~ん。あっ、そうだ。先輩~」
「んっ?なんだ、久世?」
「ジッパー、あいてますよ?」
ジッパー?ジッパーって何のことだったっけ?
「カメラは持って来てないぞ」
「シャッターじゃないれすよ~」
じゃあ、何だというんだよ。




