インタビュー戦争
坂下の、放送部分室!
今回のゲストは1年生の、山田君!果たして今回はどんな面白い放送が起きるかな?
皆さん、楽しみにしてくださいね!
お題:
過去 海賊 夢
今、山田は放送室の椅子に腰掛けていた。
山田の目の前に居るのは、銀色の眼鏡をかけたセミロングの黒髪。髪には可愛らしいさくらんぼの髪飾りを付けている女性。
額には何故か目玉模様が描かれていて、その顔はとても楽しそうである。
「坂下の、放送部分室!」
イエーイ!パフパフ!
坂下はどこからかタンバリンと笛を取り出して、音を鳴らしている。
「皆さん、こんにちは!今日も皆さんに楽しい、楽しい時間を提供いたします!
お相手は2年、放送部サークルの坂下でお送りしまーす!」
坂下はボイスレコーダーの録画ボタンを押して、話をしている。
今日、山田は坂下さんに呼びつけられて、インタビューを受けている。
「今日のインタビューコーナー、ゲストは1年生!吐血でお馴染みの、山田君でお願いしまーす!」
「……その紹介の仕方はないんじゃなかろうか」
確かに結構、吐血している時も多いが、山田はスポーツで汗を流す野球少年でもあるのだ。
出来ればそこを紹介して欲しかった。
「と言うより、ネット限定の学内ラジオって範囲が狭すぎません?」
「仕方ありません、学校から許可がなかなか出ないですからね。海賊行為でもすれば良いでしょうか?」
それはそれで困り物なのだが。
「……まぁ、ラジオを続けましょう。このコーナーでは、ゲストを呼んで皆仲良く放送を作り上げようと言うコーナーです。1年生でも楽しく可笑しく、放送を作り上げようというコーナーでーす!」
「どう言う放送なのか、俺は見た事無いから分からないんだけど」
「では、お悩み相談コーナー!」
「流した!」
「いつまでも無駄話に付き合ってられないですからねー!このコーナーでは、学校内で募集した相談事を解決していくというコーナーです!」
「……まぁ、良く見かけるコーナーではあるな」
「通称、お悩み切断コーナー!お悩みをとりあえず切りまくるコーナーです!」
「立ちが悪い!」
「いえいえ、自分で思うけど太刀筋は良い方ですよ」
そう言って、坂下は沢山の紙が入ったダンボール箱から1枚を取り出す。
「P.N.二次元大好きさんからのお悩みです。
『私には夢があります。それはハーレムを作る事です。多分、これは達成出来ない望みですけど、こんな悩みを持つ僕は、可笑しいのでしょうか?』
との事です」
「……夢か」
山田は自分が大リーガーになる姿を夢見る。野球をやってる者としては、誰もが1度は持つ夢だ。
「うーん。難しいお便りですね。山田さんはどう思います?」
「そうだな、夢を持つのが大事であってそれを叶えようとする努力が大切なんじゃないか?」
「うわー、正論だねー。過去に何かあったのかい?まぁ、P.N.二次元大好きさん、参考にしてねー。
はい、斬鉄!」
そう言って、坂下は相談内容の書いた紙を切り裂いた。本当に切ったよ!
「さて、次のお便りです!P.N.拳銃幸福さんのお便りです。
『坂下さん、山田君。こんにちは』。はい、こんにちは」
「俺、ゲストに決まったのはついさっきだったはずなのに、こいつはどうして知ってんだ!?」
可笑しい。未来予知か!?
「『最近、面白いゲームが無くて暇です。お2人は何かお勧めのゲームは、ありますか?』との事です」
「ゲームか。この前、小此木に貸してもらったゲームは面白かったぞ。
確か『剣伝~5本の剣と囚われの姫~』って言う剣を手に入れながら、姫を助けるRPGゲームなんだが」
いやー、面白かった。まさかあそこで、2度目の戦闘があるとは。
「へぇ~、てっきり山田君はスポーツ系のゲームを選択するかと思いましたが、意外ですね。
ちなみに私は推理ゲームが好きです。おすすめは『Endless Roop』!何度も同じ時間を繰り返し、その繰り返しをどうにか攻略しようと言うのが大変好感が持てました。
P.N.拳銃幸福さん、参考になった?はい、斬鉄!」
「だから、お便りを破くな!」
何、これ!?恒例なの!?
「次が最後のお便りです、P.N.愛とは何かさんのお便りです。
『人は何故、簡単に愛し合えないのでしょうか?教えてください』」
「重い!話題が重い!」
ここって、こんなに深い話題も扱うの!?
「うーん。難しいね、以上!はい、斬鉄!」
「速い!」
「さぁ、お別れの時間がやってきましたね。山田君。今日は如何だったでしょうか?」
「なんかもう、展開についていけないです。まぁ、楽しかったが」
「それは良かった。良かった。
さぁ、お別れの時間がやって来ました。本日のお相手は、1年生の山田君でした!来週のゲストは誰なんでしょうか?また来週!
最後はこの曲でお別れです。タイトルは……『愛とは何か』」
「さっきの質問の答え、来た!」
「さぁ、山田君。さっき破ったくず紙、燃やすの手伝って?」
「燃やすのかよ!」




