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小高大学雑記録  作者: アッキ@瓶の蓋。


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グラフ戦争

とある大学の講義室。

山田やまだ小此木おこのぎからとある挑戦状を叩きつけられていた。

その内容とは……。



お題

グラフ、反対数グラフ、両対数グラフ

とある大学の講義室にて、とある2人の男性が激しい討論バトルを繰り広げていた。



「くっ……!分からねぇ!どうしてだ、グラフに点打って線を引くだけなのにどうしてここまで難しいんだ!?」



そう言いながら、グラフ用紙を掴んで歯を噛み締めている男性は悔しさの余り床に手を打ち付けた。

体格の良いスポーツ刈りの男性、彼の名前は山田やまだ

野球のスポーツ推薦で入ってきたため、頭が良いとは言えない生徒。

今は数学Ⅰの講義中で、先生が問題を出している。



問題はこうである。



『◎バクテリアの増殖

0分:2.0 150分:14.1 200分:38.9 250分:104.7 280分:190.6 310分:346.7 340分:616.5 370分:794.2 400分:812.7』

と書かれている。個数には10の6乗がかけられているがそんなのはどうでも良い。

早速、山田はそれをグラフに書き込もうとしたのだが、



「くそう!どうして250分の所でグラフがはみ出ちまうんだ!」



「ははは!そこの愚民!諦めて、我に教えを請うが良い!ふははははは!」



そう言って、高笑いを上げる男性の名前は小此木おこのぎ

オペラ座の怪人のような派手な装飾の仮面を顔に付けた、少し高身長の男性。どこ出身かも分からない住所不定の謎の生徒である。

ちなみに頭はかなり良いが、気取った態度が多い人物である。

この問題を山田に出したのはこの小此木であり、小此木は山田に向けて気取った態度を取ってる。



「ふははは!早く負けを認めて、我に敗北宣言をするが良い!」



「くっ……!……ここで小此木に負けを認めると、酷く侮辱された気分になるのは何故だろう」



歯軋りをする山田と、高笑いをあげる小此木。両者のぶつかりが激化する中、



「ちょっと待ったー!」



1人の女性が名乗りをあげた。

春の陽気が感じられる今現在、部屋の中であろうと場違いのマフラーを巻きつけた女性。

彼女の名前は、冬海ふゆうみ。雪には1度も触った事が無い女性である。



「お前は……冬海!」



「ふふっ!……山田君、私達には先生から貰ったこの、片対数グラフがあるじゃない!」



そう言って、冬海は先生から貰った少し変わったグラフ用紙を山田に渡す。



「こ、これは!さっき先生から貰ってゴミ箱にすぐに丸めて捨てた、グラフ用紙!」



「早くそこに書いてみて!」



「分かった!」



山田はすぐさま点を書いていく。そして、線を引く。



「……出来た!まっすぐな線が引けた!」



「何……!そんな……馬鹿な!」



山田は喜びの声をあげて、小此木は信じられないという顔で見つめている。



「さぁ、小此木さん!観念して、私と付き合ってください!」



「何故、そうなる!くっ……!そうは……行くか!次はこれだ!」



そう言いながら、小此木が取り出したのはまたしても表。



『◎天体(太陽系)

水星;長半径0.38:公転周期0.241 金星;長半径0.723:公転周期0.615 地球;長半径1.00:公転周期1.00 火星;長半径1.52:公転周期1.88 木星;長半径5.20:公転周期11.9 土星;長半径9.55:公転周期29.5 天王星;長半径19.2:公転周期84.3 海王星;長半径30.1:公転周期165』



それは太陽系の長半径と公転周期が書かれた物。



「へっ!片対数グラフを手に入れた俺に、もはや敵なんていねぇ!」



そう言って、早速書き始める山田。



それから5分後。



「ぐはっ……!」



床に血を吐く山田。



「何故に、吐血!」



驚く冬海。



「ふははは!我に勝つなど、100万年早いのだ!悔しければ、片対数の先にあるグラフ、両対数グラフを会得するんだな!ふははは!」



高笑いをあげる小此木。



果たして、彼らは




いつ授業を聞いているのだろうか!?


『ちなみにこの後、3人は先生に物凄く怒られましたとさ』

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