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呟き屋  作者: MARK.TOMO
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2.疑心暗鬼

今の日本は不審に満ちている。

なにも信用できない。

誰も信用できない。

仕組みは裏切られ、ルールは破られる。

善意が踏みにじられ、利用するのを当然とする。

そんな悪意に満ち満ちた世界になっている。

それだから息苦しい。

やりきれない。

なぜなら、生き残るために自分もそうならないといけないのではないか。

そう悩む可能性があるからだ。

あるいは悩まない者もいるかもしれない。

こと、このような世界ではただ人を殺したかったという人間が跋扈する。

ここで戦争が起きた場合、価値観はひっくり返り、そうした者が英雄になるかもしれない。

「やっほー。これこそ・・・」

そんな喝采をあげるかもしれない。


詐欺電話。

詐欺訪問。

偽物。

強盗。

殺人。

嘘、嘘、嘘。

政府が嘘をつき官僚が嘘をつく。

新聞が嘘をつきテレビが嘘をつく。

嘘が嘘を呼び世界が嘘だらけになる。

そういう世界で何を信じたらいいのか。

気の利いただれかなら「そりゃもちろん自分を信じるしかないさ」とでも言うだろうか。

自分だけは。

何とか。

溺れそうな世界でアップアップするだろうか。


電話調査。

ランダムでかけた電話だから平均的な国民の意見を吸い上げられるという。

今の世の中で不審な電話にでる人はいるだろうか。

待っていた電話があって、ついでてしまったという以外に。

じゃあ電話に出た人はどんな人なんだろうか。

でなかった人はどんな人なんだろう。

世論調査にそれは加味されるのだろうか。


個人情報が漏洩した。

その漏洩した人に注意を喚起するために個別に電話をかけるという。

訪問して注意するという。

正気ですか。

本気ですか。

詐欺師が喝采するじゃないですか。

チャンスだチャンスだ到来だ。

今こそ電話しよう。訪問しよう。

彼らを名乗ろう。

まだまだだませるぞ。

そんな悪魔が小躍りしている。


とある通信設備の会社が回線が古くなったから入れ替えるという。

ついては個別に訪問して説明をするという。

説明をしないと新しい回線にできないという。

聞かない人は契約解除になるという。

ウハウハだ。

これまたチャンスだ。

チャンスはいくらでもある。

悪魔が喜びまくる。


消火器の交換にきました。

消防署の方からきました。

(消防署からきたとは言ってません。消防署のある方からきたんです。嘘は言ってないでしょ。ここまでは)

近くで家の工事をしています。

(本当はしていません。近くで工事しているのを見かけただけです)

お宅の屋根を見て修理した方がいいかもしれないと思いました。

今の工事が終わったらやりますから点検だけもどうですか。


不用品の回収をしています。

たまたまご近所でご依頼があってうかがっているわけですが、お宅様もどうでしょうか。

(本当はご近所で回収なんかしてませんけどね)


データが捏造される。

嘘のデータで計画が練られる。

嘘のデータで決算書がつくられる。

嘘のデータで報告書が提出される。


取り締まる人が嘘をつく。

裁く人も嘘をつく。

改善提案すべき人も嘘をついた。

もうどうすりゃいいのかわからない。


言ったってしょうがないでしょ。

言ったってしょうがないんですよ。

そうだね。

そうだよ。

うん、だんだんそうだって気がしてきたよ。


今の日本は不審に満ちている。

疑心暗鬼の世界だ。


そしてそれは日本だけじゃない。

自分だけでも信じられたら。

自分だけは信じられたら。

少しは救われるかもしれない。



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