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…………‥結局帰れませんですた。

今、私は押し倒されたあと、知り合い2名に腕を抑えつけられています。

理由はしれっと現場から逃亡しようとしたからです。

走ればよかったじゃんって?

ボス部屋の出入り口に件の知り合いとか負傷者が居たから走れなかったんだよ。

悲しいね。


「君、誰」


で、私を押し倒したのが、朱星露音。

いろいろあって大喧嘩した私の唯一の友人……かな?

それにしても、まじで配信で【冬ノ唄】とか使って無くてよかった。

使ってたらモロバレだったよ。

色んなところのFとかE級ダンジョン行脚してたのが功を奏したよ。


「別に……通りすがりのダイバーだよ」

「登録可能年齢ギリギリっぽい通りすがりの幼女ダイバーが、E級上位でも歯が立たない敵を単独で倒せると。

しかもユニークアイテム持ってるよね?明らかに魔法以外のものを使ってた」

「たまたま手に入れただけだよ。あと、見た目だけで歳を決めつけない方がいいよ」


実際中身16歳だし。

おまけに男だし。

いや、言っといてなんだけど流石にこれは予想できないかも。

うん、無理だ。


「………じゃあ、免許証見せて。やましいことないなら出せるよね?」

「……そういえば、怪我とかしてない?」

「話逸らさないで。免許証」


うん、まあそりゃそうだよね。


「普通に考えて、知らない人に免許証出せって言われて出すわけ無くないd「君は普通じゃないから普通に考えても無駄じゃない?」


正論やめてねぇ、時に人を傷付けるんだよ?

誰か助けてくれーい、モンスターでも何でもいいから……


「おい!何か光ってるぞ!」


なーいす、軽傷者さん。

両腕と体の上の拘束が解ける。

とりあえず、安全確認が取れ次第全力で逃げよ。


立ち上がってみんなの視線が行っている方向を見る。

確かになんか光ってる。

……あ、弱まってきた。

人……?

あ、羽生えてる。ってことは人じゃないな。


「やあ、人間さん」


わー、喋った。

モンスターが人語喋るって前代未聞じゃない?

少なくとも私はこの5年間1回も聞いたことない。


「言っておくが、私はモンスターじゃない。まあ、人間と言えば少し嘘になるが」

「……‥誰?」


なんか自然と声が出た。


「……ふふ、君ならそう問うて来ると思ったよ。これは運命……いや、必然か」


そう言って微笑む羽の生えた人間。


「自己紹介でもしておこうか。まあ……仮称でアドミン、とでも名乗っておこうか」

「アドミン……」


英語で管理(Administ)(rator)の略……だっけ。

管理者ねえ。

こういうので管理者とか言うやつに碌なやついない気がするんだよなぁ。


「……で、一体なんの用ですか。アドミンさん」

「もしかして君はせっかちだったりするのかな?まあいいだろう。

君たちの戦いを見ていたよ。

正直言って期待外れだ。

少しくらい善戦してくれるかと思っていたが……少々早いが、君たちに少しサプライズを与えようかとね」

「サプライズ……?」

「あぁ、君たちが望むようなものを与えようと思ってね」


望むようなものを与えよう……ねぇ。

まるでこっちが望んでいるものを分かっているかのような言い様。


「望むものって?」


「君たちがこの世界にダンジョンという存在ができた時。きっと君達はこう思ったはずだ。

人智を超えた能力を使って、冒険ができると。ゲームのような体験ができると。

しかし、現実は違う。

スキルなど存在しないし、ダンジョン内で死ねばそれは本当の死を意味する。

それに対して、異常なまでの力を持つモンスター達。

今までのダンジョンは、ある一定まで安全が担保されているが、それ以上に行けば死ぬか、殺して死ぬかの2択を迫られる、命のやり取りだった。

そんな君たちに、力を与えてあげようと思ってね」


「あなた……一体何者」

「ふふ……それは今明かすことはできないよ。でも、君の使命(必然)を辿れば、自ずと答えにたどり着けるはずさ」


そう言って、アドミンが振り返る。


「メニュー、とでも唱えてみるといいさ。期待しているよ、特異点(シンギュラリティ)


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