幼女、救助要請に行く。
【八王子ダンジョンに行こう!#2】 クロスゲート
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「朱星!楓!まだ倒せねえの!」
「私もう限界!」
「こっちだって頑張ってんの!いい加減にして!」
{やばくね、これ。増援来てんだよね?}
{増援来てもやばいだろ。見たことねえぞこんなの}
{クロスゲートじゃこの戦線持たせるのが手一杯だろ。撤退も進軍もできん}
目の前にいるのは、多分15mはある巨大なドラゴン。
大体7階とか6階建ての建物くらいの敵。
ここ八王子ダンジョンのボスであるケイブラットチーフを倒したら、突然ボス部屋の壁が崩れたらしい。
その先から出てきたのがこいつ。
おまけになんだかわからないモンスターが追加でわらわらと出てきている。
「吟ちゃん大丈夫!?」
「平気だけど平気じゃない!」
うちのパーティーは4人。
近接職の麻陽礼慈と宵宮吟、ディーラーの私と暁川楓。
吟ちゃんは絶賛取り巻き排除中だけど、火力が足りないせいで追いついてない。
ドラゴンに関してはダメージディーラー2人掛かりでも傷一つついてないレベル。
E級上位陣くらいになってキャッキャしてたのが馬鹿みたいに思えてくる。
そのくらい強い相手。
逃げようにも、救助要請を出した負傷者が足が吹き飛んで歩けないわ意識が飛んでるわで置いていく羽目になる。
正直、この部屋に踏み入れた時点で吐きそうになった。
モンスターの死骸なら散々見てきたけど、まだ生きている人間の重傷者は未だに無理だ。
"あの事"もあるし。
「朱星!撤退したほうがいい!俺達まで死ぬ羽目になる!」
「でも!救助者が……救助者を見捨てることになる!」
「二次災害になるぞ!俺達を助けようとさらに死人が出る!さっさと退くべきだ!」
私が、決めるの?
そんなの出来るわけない。
「………あと10分!あと10分耐えて増援が来なかったら撤退する!それまで保たせて!」
「「了解!」」
「………伸ばすなy」
{クロスゲートの実力であと10分は無理だろwwwww}
{おい、人が死にかけてんのに茶化すなよ}
{俺らも向かってるが間に合うかわからんぞ}
{撤退したところで、下手したら出てくるぞ。こんなの出てきたら渋谷の悪夢以上の大惨事になる}
渋谷の……悪夢。
一瞬意識が飛ぶ。
「朱星!」「「露ちゃん!」」
上からドラゴンの火炎が降ってくる。
やば、これ死んだかも。
ごめんみんな。
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「やば、【冬ノ唄】!」
火炎の下の女の子に向かって突っ込む。
悪いけど、抱えられるほど器用じゃないから、抱きついて突き飛ばすね。
そう心の中で思いながら突き飛ばす。
バイタルパートは守ったから、あっても四肢の骨折くらいでしょ。
それくらいで死の危機から脱せられるなら安い安い。
「大丈夫?」
相手のドラゴンを見上げながら問いかける。
うっわぁ。デッカ。
"あの時"のボスくらいあるじゃん。
というか、それの別種かな?、これ。
「え、あ、その、大丈夫です……」
まあ、そりゃ急に幼女に突き飛ばされたら困惑するよね。
「他の人たちに伝えて。下がってろって」
「え、でも君一人z」
「うるさい、いいから下がってて。それとも、まとめてぶった斬られたい?」
そう言うと素直に退散していく。
話のわかる子で助かる。
なんか…‥知り合いに声似てたけど、まあ気のせいでしょ。
「流石に……両方共抜いたほうがいいよね。うん。あいつと同じなら相当強いはずだし」
懺悔しながら書いてます。
でも設定とか好き放題できるし、最初を2000字くらいにいしたからスキマ時間にぱっと書きやすいんだよね。。