表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

8層は思った数倍強かった。

このボス、連携がめんどくさいな。


召喚された人形がちゃんと連携をとってくる。

三方向からの一斉攻撃。

しかもちゃんと足、胴、頭の3ヶ所を同時攻撃してくる。


多分、【冬ノ唄】がなかったらもう死んでる。

スキル様様だね。


頭に飛んでくる攻撃を【酔桜】でいなす。

それと同時に上に跳んでくる包囲を抜ける。


TSしていいこと、もう一個あった。

小柄だから攻撃を避けやすい。

刀の扱いは難しいけど。


そんなこと考えていれば、跳んだ先に本体からの追撃が飛んでくる。

こっちは【逝舞】で防ぐ。

多分ドローンから見たら人間離れしてるんだろうな。


{?????}

{やっぱ動き人外じゃん}

{一人で1個旅団の働きしてそうな人みたいな動きしてる}


「めんどくさい、こいつら」


別に倒したらいいじゃんって?

そりゃ倒してるよ。

直ぐに復活するんだよ。

切り刻んでも直ぐに復活する。

一番遅いのは首を切り落とすことだけど、それでも30秒もすればピンピンしてる。


気付けば、窓の外が曇りになっていた。


こいつらの攻撃手段、素手で殴るだから暗いと認識しづらいな。

劣化したブリキだから光、反射しずらいし。


そもそも、取り巻きも今までとは比べ物にならないくらい強い。

本体に速攻をかけようとも思ったけど、

取り巻きのガードが固くて間合いに入れない。

こういう時に、リーチの長いパーティーメンバーがいれば楽なんだろうけど………


「ッチ………めんどくさい」


{人間みたいな連携するな。こいつら}

{何で人外でも火力足りてないんですか???}

{もう次元が違うよこの戦い}


戦況は拮抗………

そうなれば自然とソロのこっちが負ける。


絶対なんかしらからくりがあると思うんだけど………皆目検討もつかない。

いや、こういう系のモンスターは繋がってる糸を切れば機能停止とか、そういう定石はあるけど、じゃあどう切るかって話だよね。

現状見えてないから、本体から繋がってるのか、上から吊るされてるのかも分からない。

それに、これだけ刀をブンブン振り回しといて1回も切れないなんてことないでしょ。


ってなると、前提条件か何かしらの体制を持ってるのかな。


後ろから殴り掛かってくるブリキ人形を斬り捨てる。


まだ体力に余裕はある。

まだ戦えはする。

でももう時間がない。


ここまでぶっ続けで登ってきたけど、あと1時間くらいでタイムリミットになるんだよね。

何気に配信の枠も2枠目(12時間上限)になってるし。

ここまでテンポ良く進んできたけど、大体1層攻略に2時間くらいは掛かってる。

未探査領域はそれ以上の3時間くらい。

いくら敵が拍子抜けするくらいの弱さだとしても、数こなすのと移動時間は削りにくいからね。


戻るとしても多分結構な時間がかかる。

多分これ以上戦闘しても倒せるとは思えないし、時間ギリギリになって大慌てで外出るのもやだし。


「………そろそろ潮時かな。みんなには悪いけど、一旦退かせてもらうよ」


{時間やばいしな。俺らの体力的にも更新的にも}

{こっから攻略法見つけて倒すのは流石に無理か}

{いくら幼女がバ火力でも今の所の最難関ダンジョンだしな。それ以上?お話にならないよ}


リスナーも賛同多数。

…………というか、良くもまあここまで垂れ流しみたいな配信見続けられるね。この人たち。


そんなことを考えながら、撤退先であるエレベーターへと急ぐ。

特段追撃は無し。

そのままエレベーターに乗り込む。

最後に見えたのは、電気が消え、その目を光らせていたブリキ人形達だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ