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転移使いと○○の旅 ~独特な魔法が宿る『町』巡り~  作者: ザ・ディル
最終章 最終節 帰還編

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エピローグ ハッピーエンドが似合っている彼と彼女

「私は警察官だから、嘘つかない方がいいわよ」


 警察署の一室。そこで女性警官は瑠璃美にしっかりと目線を合わせながら、真面目な表情で、身体をずいっと前のめりにして問いただす。


「本当なんです。異世界に行って旅をして、帰還方法がわかってようやく日本に戻れたんです」


 警察官に臆さず、目を逸らさずにいい切った瑠璃美を見て、警察官はため息をこぼす。


「……はあ、確かにDNA鑑定も一致していたわ。14年以上前の顔写真と全く同じ顔(﹅﹅﹅﹅﹅)。33歳にしては若すぎるように見える。私より年上なわけだし……」


「私は19歳です! 嘘つかないでください!」


「あ、貴方が嘘をついているようにしか見えないんですよ。ただ、一応は任意の事情聴取なのでこれ以上質問することはしません。事情聴取は以上で終わります」


 警察官とそんな話をし終えて、警察署から出ると青葉が待っていた。

 彼は手に持っていた日記帳をぱたりと閉じて、彼女にジト目を向けた。


「2人同時に警察署に入ったのに、俺が出てから3時間以上も待つなんてお前は何を話していたんだ……」


「私は異世界に行ったことと、19歳だって抗議したのよ! ただ警察官が食い下がってきて時間がかかっちゃったのよ! 頑固すぎるわよあの警察官!」


「馬鹿か。お前は誰かが異世界に行った話を信じるか? 時間の進みが違くて数カ月の旅が14年になった話を信じると思うか?」


「あ、そっか。そうだよねー」


 てへぺろと舌を出すようにして頭にこつんと拳をあてて謝る瑠璃美。


「でも異世界に行ったことは本当だったわよね!?」


「そうだが、現実的じゃない事象は伏せた方が楽に話し合いが終わるぞ」


「でも実際あったじゃない!」


「あったかもしれないが、結果として俺たちは大学生からプー太郎になった。挙句には14年間ニートをしていた人間となってしまった。そんな俺らの言葉は戯言(ざれごと)としか受け取られないさ。ここから大学再入学するためにテストを受けるか、いっそのこと就職するか。……お前はどうしたい?」


「うーん、どうしようかしら。でもね、決めたことは1つあるわ!」


「なんだ?」


 青葉が瑠璃美の問いを待つと瑠璃美は顔を少し赤らめて目を逸らすが、数秒経ち、決心したように彼の目を見つめていた。


「貴方とずっと一緒にいたい」


「――っ!」


「『町』での旅は楽しかったのもあるけれど、それ以上に不安だった。それでも、貴方がいたから頑張れたわ。貴方といた日々を思い返すと良かったって思えるの! それはきっとこれからも変わらない!」


 彼女は深呼吸して、いう。


「結婚して、ずーっと一緒にいてくれませんか?」


 にっこりと笑顔のまま手を伸ばした彼女。不安なんて一抹もない表情。

 青葉は彼女の表情を見て表情を綻ばせて、手を掴んだ。


「もちろんだ。これからも、ずっとよろしく。ルリ」


「うん! あっくんもこれからもよろしくね!」


 ハッピーエンドを勝ち取った2人は、手を手を繋ぎ合ったまま帰った。

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