【ショート(?)コント】魔王「ショートコントがしたいんじゃが、魔王討伐でひとつやらんか?」
先に言います。
全然ショートじゃありません。(四千字超えのギャグ)
でもクスッとさせる気は結構ある!
魔王の気まぐれで始まったショートコントです。ショートではないかもしれません。
コントではあります。
笑いたい時だけ読んでください。
魔王「のうのう、側近よ」
側近「はいはい魔王様。何用ですか?」
魔王「暇だ」
側近「良いことではないですか。
勇者の襲来がない証拠。
それだけ危険がないということです」
魔王「暇は悪だ」
側近「悪の大魔王っぽくて結構ですね」
魔王「平和も悪だ」
ーー沈黙が流れるーー
側近「逆だと思いますが」
魔王「この世を荒らすことが我の使命。
よって平和は悪なのだ」
側近「それを悪側の魔王様が仰るのでしたら
平和は正義で正しいのでは?
しかも自分のことに対してもですか?
おかしくないでしょうか?」
魔王「ツッコミが長いのう」
側近「誰かさんが一言にツッコミどころ
濃縮させたせいですねぇ」
魔王「うまいだろ」
側近「ジュースじゃないんですよ。
ジュースでも希釈されてるんですよ。
魔王様のそれは濃厚すぎます」
魔王「我は悪くない!」
側近「悪の頂点が悪くないとは矛盾」
魔王「それでも我は悪くない!」
側近「それでも私はやってないみたいな言い方」
魔王「我が正義だ!」
側近「確実に悪役なセリフですね。
その傍若無人ぷり真似できません。
やはりあなたが魔王です」
魔王「そうだろうそうだろう!」
側近「褒めてねえよ」
ーー魔王はしょんぼりした!ーー
魔王「して、側近よ」
側近「はいはい魔王様。まだ何か?
私そろそろソシャゲしたいです。
イベント走りたいので」
魔王「自分に素直じゃな。悪役らしいぞ。
そして却下しよう」
側近「褒めてそうで褒めてないですね。
しかもダメなのですね。
今、確実に許可の流れでしたよね?」
魔王「悪役としては褒めているぞ。
しかし勤務中だぞ。
あと課金とガチャは沼だからやめろ」
側近「全くその通りでなんも言えねえです。
しかし勇者は来ていないんですよ。
私、ここに立ってる意味あります?」
魔王「そうだろう! 暇だろう!」
側近「暇だとは言ってねえ」
ーー側近の笑顔が剥がれ始めた!ーー
側近「失礼。ですがご理解ください。
魔王様の御前でございます。
暇であってはなりません。
お守りという勤務中ですゆえ」
魔王「なるほど。それはそうであるな。
我を構わぬなど許さぬ」
側近「突然のかまってちゃん」
魔王「それはそうとな」
側近「突然の話題転換」
魔王「ショートコントがしたいんじゃが。
魔王討伐でひとつやらんか?」
側近「突然の無茶振り……はいいとしまして」
魔王「いいのか!」
側近「あ、そこ喜ぶんですか。
止めても無駄なので諦めたのですが」
魔王「そうだな! 我は魔王ぞ!
止められる者などおらぬ!」
側近「話が進まなさすぎて息の根を止めたい」
ーー風の音と沈黙が訪れるーー
魔王「お主……我を裏切るのか……?」
側近「こんなくだらないことで
反逆したりしたくないので
僭越ながら理由をお聞かせください」
魔王「面白そうだから」
側近「なんてファンキーな理由。
ファッキンベイベーでございます」
魔王「丁寧そうで丁寧じゃないなぁ」
側近「その程度で済んでしまわれるあたり
部下としてありがたくも不安です」
魔王「まぁ我、子供じゃないし……
寛大な魔王だし……」
側近「意外と真面目に受け取られてました。
ですが残念、精神面の方です。
そのすね方とか子供ですが、
寛大すぎることは賛同いたします」
魔王「そうだろうそうだろう! それでだな」
側近「こいつ話聞いてねえぞ」
魔王「勇者、用意しておいたわ」
ーー勇者、目の前に召喚されるーー
側近「……勇者様……?
あ、やべ様つけちゃったわ驚きすぎて」
勇者「はっ! なんだここは!
さてはお前、魔王か⁉︎」
魔王「いかにも!
我が最悪の再来、魔王だ!」
側近「いやいや待ってください魔王様⁉︎
なんですかこの状況⁉︎
ショートコントどこいったんです⁉︎」
魔王「あ、そうじゃった。
『ショートコント、魔王討伐!』」
側近「そこじゃねえんだよなぁ」
ーー側近のブチギレに静まり返るーー
側近「そもそも何故ショートコントですか?」
魔王「いや、巷で流行ってるらしいから……」
側近「その時期は終わったんだよ!
ゲラゲラの時期は期限付きなんだよ!
いつの話してるんだよ‼︎」
魔王「流行はめぐるっていうから……。
先取りしとこっかなって……」
側近「この時点だと早すぎですね!
むしろただの流行遅れですね!
あとあれ2人用だから
私巻きこまないでくれませんか⁉︎」
勇者「なんだお前
魔王側じゃないのか……?」
側近「ほら誤解生んじゃったよもー!」
ーー拗ねる側近に、勇者戸惑うーー
魔王「……フハハハハ!
勇者よ! よくぞ来たな‼︎」
側近「全然仕切り直せておりません。
つかこっちが呼び出してんだよなぁ」
魔王「この世を守りたくば!
我を倒してからにしろ‼︎」
側近「セリフ間違えてんだよなあ!
それは魔王様の後に
誰か待ち構えてる時のセリフですね」
魔王「我は何度でも甦る!」
側近「無敵じゃねえか。倒せねじゃねえか。
やっぱりお前が一番上じゃねえか。
つうかそれは倒された時のセリフ!」
勇者「なんだ……?
オレは何を見せられている……?」
側近「いやなんかもう申し訳ないです……」
勇者「お前……良いやつなのか……?」
側近「やめてください。私は悪役です」
勇者「悪役は悪役って言わないと思うぞ」
側近「それはそう! マジレスが痛い!
でも私たち今日何回も言ってる……」
ーー側近は、苦悩し始めた!ーー
勇者「! そうか! わかったぞ!
君は魔王に囚われているんだな!」
側近「どこからきた発想かわかりかねますが
あながち間違ってもいない!
でも私の見た目を見て言ってるなら
多分眼科行った方がいいです」
勇者「その魔王に無理やり従わされて……!
くっ! 今助けてやるからな!」
側近「話聞かねえやつが増えた。助けて」
魔王「フハハ! 側近は渡さぬ!」
側近「こいつのっかりやがった」
魔王「何故なら仕事できなくなるからな!」
側近「ときめき展開かと思わせておいて
まさかのクズ感全開ですね。
さすが魔王様仕事できない」
魔王「勇者来なかったから仕事したことない」
側近「勇者と戦うだけが
私たちの仕事じゃないんですよ!」
勇者「ごちゃごちゃうるさい!
覚悟しやがれ!」
側近「それはどう考えても悪役側セリフ!」
ーー勇者、魔王に剣を振りかざすーー
魔王「フハハハハ! 効かぬわ!
そんな小手先の手品など!」
側近「手品の方がすごくないですか?」
勇者「く……! まだまだぁ!」
側近「さっきからこの人1人で
一体何にやられてるんですかね?
魔王様、精神攻撃とかしました?」
魔王「そんなことできたらお前で遊んでるぞ」
側近「そういう意味では精神攻撃できてます
早急にやめていただきたい」
魔王「そう言われるとむしろやりたい」
側近「このやろうカリギュラ効果め」
勇者「! なんて恐ろしいやつだ魔王……!
精神攻撃までしてくるなんて……!
どうりで……!」
側近「それはプラシーボ効果」
魔王「そうだ、だんだん疲れてきただろう⁉︎」
側近「それはバーナム効果。
魔王様の話がおかしいせいです。
そんな能力ないけど私も疲れてます」
勇者「クソッ! それでもオレは勇者だ!
みんなに期待されてここに来たんだ!
やってやる……!」
側近「それはピグマリオン効果……。
この解説、いります?」
魔王「お前がチラついて
話入らないからいらない」
側近「それはサブリミナル効果ですが
サブリミナル効果って
本当はないらしいですよ」
魔王「なるほど、どうでもいいな」
側近「こいつ一回ほんとに
勇者に倒されてくんねえかなぁ」
ーーその言葉で再び戦闘が始まるーー
勇者「魔王! オレを召喚した理由を吐け!」
側近「コントしたかったらしいですよ」
勇者「そんなバカな理由があるか!」
側近「ごもっともです。すみません」
魔王「ちょっと勇者ぁ〜。
うちの子いじめんのやめてくんない?」
側近「いじめてくるのはむしろ魔王様」
勇者「今助けてやるから待ってろ!」
側近「そう言われるとなんだか
助けてほしい気がしてきました」
魔王「囚われのプリンセスじゃん」
側近「むしろ仕える側の上、私男なのですが」
ーー瞬間、勇者の動きが止まるーー
勇者「お前……男だったのか⁉︎」
側近「声で分かれ」
勇者「いや、髪が長いしローブ着てるし
見た目が中性的だったから……」
側近「見た目で判断するなよ。
魔王様もこんな賢そうな見た目ですが
めちゃくちゃポンコツなんですよ!」
魔王「そうだそうだー!
スーパーイケメンだぞー!」
側近「そこは怒るとこだし自分で言うな」
勇者「」
魔王「のうのう、今気づいたんじゃが。
勇者、我とコントする気ない?」
側近「何故こっちに聞いた?
そして何故やってくれると思った?」
勇者「はん! よそ見してるとケガするぜ!」
側近「勇者の方が悪役っぽい」
魔王「お主、ふざけておるのか?」ギロリ。
側近「滅相もございません。
こいつバカだなとは思っております」
魔王「そうかそうか……ん⁉︎」
ーー睨み合い、一瞬の沈黙が訪れるーー
側近「ジョークでございます魔王様。
お暇だと申しましたので。
気分転換でございます」にっこり。
魔王「……お主ジョークとか言えたのだな。
ただの眼鏡キャラかと思うていた」
側近「それはそれは。
側近を側近と呼ぶだけありますね。
さすが魔王様、頭が固い」
魔王「そうそう。余の頭は……ん?
お主、今余をバカにせんかったか?」
ーー見つめ合い、再度沈黙が訪れるーー
側近「まさかまさか」にこにこ
側近「頭が固いとは褒め言葉でございます。
頭突きが強いということです」
魔王「頭突きか……。
試したことがないな……」うーむ
側近「流されてくださるおつむですものね。
そもそも魔王様が頭突きする事態など
あってほしくはないのですが」
魔王「お主……まさか余を心配しておるか?」
側近「まさかの脳内お花畑」
魔王「花畑……?」
側近「開墾頭脳ということでございます。
他のものにはない独創性……。
特殊な頭脳です」にこにこ
魔王「ほ、ほう。なるほどな。
それは当然だなぁ!
余は魔王であるからなぁ!」はっはっは
側近「」
ま、が抜けておるがな
これでは間抜けだな、ははは」
側近「何も間違っておりません合ってます。
魔王様に間違いなど申しません」
魔王「これはうつけな」
側近「魔王様はふぬけですね」
魔王「ぬけぬけと言いよる」
側近「それで済むのが拍子抜けです」
魔王「だって我暇なのだぞ。
これは逆に筆が走りすぎてやめどきわかんなくなったんじゃないかなと推察します。(記憶喪失)
え? でも面白くない?
これ書き上げても全然読んでもらえそうな気がしてきたよ?




